2009-03-01

お子さん

 こないだ、仕事から帰ってきて階段を登ってたら、踊場のところに、小学生くらいの男の子が突っ伏して座っておりました。

 

 普段は、めったに住人とすれ違うことはないので、正直ビックリしましたね。

でも最近の殺伐とした世の中ですから、もしかしたらなんかあったらいけん、そう思って声を掛けてみました。

 

 「オイオイ、ボクどうした?だいじよーぶ?」

すると子供はハッと顔を上げ、私を見上げましたが、その目には、みるみる涙が溢れてきました。

慌てて、

「オイオイ、どないしたん!ボクどっから来たん?」

そう聞くと、その子は急にえずきながら、

「そこの、、、えっ、、いえです、、うっ」

と、すぐ横の扉を指差しました。

 

 (なーんだ、誘拐とかじゃないんだ、良かった良かった)

なんて、思いながらなんか気になるので、

「どうした、こんなトコで。寒いぞ、お尻冷えるぞ。」

なんて、オッサンみたいな口調で(オッサンですが)問いかけると、ナベの優しさに触れて涙腺がさらに緩んだのか、

「えっっ、、、えっ、、だっ、だいじよーぶです、、、すっ、すいばぜん。」

とか言いながら、泣き顔を見られるのが嫌なのか、階段の手すりに捕まってえずきながら、そのまま、ずりずり階下に落ちて行きました。

 

 その子の指差した扉の向こうからは 

「・・・・・」

 まだなにか怒っているのでしょう、炸裂ママのキョーレツカミナリが、耳をつんざくように聞こえてきました。

 

 一瞬、ウチの子にいらんことすなー!と、私が怒られたんかな、とビビったくらいです。

あれは泣くね。子供はひとたまりもありませんわ。

 

 でもあんな礼儀正しいいい子なのに、なにやらかしてママ怒らせちゃったんだろう、なんて思いながら、ママの炸裂具合があまりにも、チョーマジだったんで、

(子育ても大変なんだろなあ)

なんて、シミジミ思いました。

 

 今回の話にオチはありません。

強いて言えば、次の日の朝、昨日さめざめ泣いてたその子が、

「行ってきま~す!」 

と、元気に出ていったのが聞こえたので、(子供は復活早いな)ということですかね。

 

 ママもいろいろと大変なんだろうけど、あんまし叱んないでね、と心の中で思った朝でした。