こないだ、仕事から帰ってきて階段を登ってたら、踊場のところに、小学生くらいの男の子が突っ伏して座っておりました。
普段は、めったに住人とすれ違うことはないので、正直ビックリしましたね。
でも最近の殺伐とした世の中ですから、もしかしたらなんかあったらいけん、そう思って声を掛けてみました。
「オイオイ、ボクどうした?だいじよーぶ?」
すると子供はハッと顔を上げ、私を見上げましたが、その目には、みるみる涙が溢れてきました。
慌てて、
「オイオイ、どないしたん!ボクどっから来たん?」
そう聞くと、その子は急にえずきながら、
「そこの、、、えっ、、いえです、、うっ」
と、すぐ横の扉を指差しました。
(なーんだ、誘拐とかじゃないんだ、良かった良かった)
なんて、思いながらなんか気になるので、
「どうした、こんなトコで。寒いぞ、お尻冷えるぞ。」
なんて、オッサンみたいな口調で(オッサンですが)問いかけると、ナベの優しさに触れて涙腺がさらに緩んだのか、
「えっっ、、、えっ、、だっ、だいじよーぶです、、、すっ、すいばぜん。」
とか言いながら、泣き顔を見られるのが嫌なのか、階段の手すりに捕まってえずきながら、そのまま、ずりずり階下に落ちて行きました。
その子の指差した扉の向こうからは
「・・・・・」
まだなにか怒っているのでしょう、炸裂ママのキョーレツカミナリが、耳をつんざくように聞こえてきました。
一瞬、ウチの子にいらんことすなー!と、私が怒られたんかな、とビビったくらいです。
あれは泣くね。子供はひとたまりもありませんわ。
でもあんな礼儀正しいいい子なのに、なにやらかしてママ怒らせちゃったんだろう、なんて思いながら、ママの炸裂具合があまりにも、チョーマジだったんで、
(子育ても大変なんだろなあ)
なんて、シミジミ思いました。
今回の話にオチはありません。
強いて言えば、次の日の朝、昨日さめざめ泣いてたその子が、
「行ってきま~す!」
と、元気に出ていったのが聞こえたので、(子供は復活早いな)ということですかね。
ママもいろいろと大変なんだろうけど、あんまし叱んないでね、と心の中で思った朝でした。