2021-05-01

とりさん1/2

 備忘録。しかもちょっと長いので、2回シリーズです。

お時間のない方はパスしてください。

 

 3月のある日の出来事です。

 

 その日の仕事は、バイク予定だったのですが、出がけに、

 

チェーンロックがタイヤに噛み込む、

シートカバーが引っかかる、挙句に

横の自転車がバイクにもたれてくる、

 

しまいには雨が降ってきました。

 

 

 天気予報は晴れだったので、通り雨だと思い、出発したのですが、雨足はだんだんひどくなります。

ので、諦めて引き返し、車で行くことにしました。

 

 今思うと、” 見えない何かの力 ” が働いていたのかな、と。

 

 

 その夜は、快晴。

仕事を終え、もうすぐ家に到着というところで、対向車が、不自然な位置に止まっていました。

おや、と思い徐行してみたら、なんと、ツルが一羽、道にさまよい出ているではありませんか。

 

 「逃げないんですよね。道に出て危なくて、、、」と、運転手の方。

自分もちょっと先に車を止め、ツルを誘導するために、脇の草むらに追いました。

 

 が、動物のこと、逃げて、すぐ広い道路に出たがります。

ので、追っかけたら、びっくりして飛んで逃げるだろう、とちょっと小走りに追ってみました。

が、逃げはしましたが、なんとコロン、とすっ転んでしまいました。

 

 「あー、足が前に出てない。ちょっと飛べないみたいですねー。」

ガーガーと鳴くツルを、両手で捕まえて、先の運転手さんを振り返ったら、いつの間にか、いません。

 

 係が代わったようです。

 

 

 でもこのままでは、絶対に車にはねられるので、近くのお寺の駐車場の門扉の中に入れたのですが、着地もままならず、ドタンと体から着地してしまいました。

 

 フラフラと立ち上がりはしましたが、かなり弱っている様子で、相変わらず飛べないみたいです。

しかも思い出したのは、そこのお寺、境内にネコを飼っていたんですよねー。

 

 あー、やっぱ、ここもダメだ、

と、仕方ないので、ちょっと、駐車場内にお邪魔して、再確保。

嘴が危険なので、前を向かせて持ち上げ、そのままの姿勢で、足だけで、門扉を乗り越えました。

体がふるふるし、若い頃みたいに軽くなかった。

 

 

 結局、キャロル号の中に一旦保護し、携帯で警察に相談したところ、野生動物は預かれないとのこと。

横にツルを乗っけて、この子なんとかしてください、と電話するのって、なんかシュールでした。

 

 

 で、頼るは自力。

どうしようか悩んだんですが、以前行き倒れの小鳥を、動物園に持ち込んだことがあったので、このとりさんには今夜のところは、民宿“キャロル”に寝泊まりしてもらい、明日午前中に、動物園に持ち込むことにしました。

 

 でも、車の中なので、なんか落ち着かないようです。まあ、そうだわな。

ので、窓にサンシェードをかけて、車内を暗くしたら、急に落ち着いてお座りしたので、いらないタオルを敷き詰めて、とりあえず一晩は、安全な場所で休んでもらうことにしました。

食事もフロもないけどね。

 

 

 で早速、帰って、”例の動物園” のサイトを調べたのですが、なんと驚愕の、

” 鳥インフルエンザ予防の観点から、園内の動物を守るため、鳥獣の受け入れを3月31日まで、中止します  “

と、ありました。

 

今日が3月26日だから、あーあと6日か。

じゃあ、明日ペットショップでなんか餌になるのを買ってこなきゃ。

ベランダでしばらく預かるならケージがいるなあ、お散歩どうしよう、紐を羽に通すか、

と、いろいろ考えていたら、サイトの情報が、またなんと、目の前で更新になり、

 

” 鳥インフルエンザ予防の観点から、園内の動物を守るため、鳥獣の受け入れを当面の間中止します  。”

に、変わりました。

 

 

 なんじゃそりゃあ! by 松田優作

 

 私よく、なんじゃこりゃあ!を叫びますが、今回のはマジ、コントみたい。

鳥を保護することなど、一生の中でまずないのに。

保護した途端に、この展開。

目の前で、待ってましたとばかりに、受け入れ中止延長!

 

 誰かどっかから見てるのか? 

鳥禁止センサーでもあるのか? 

街頭カメラで、鳥拾い人監視システムとかあったりしてね。

もうにわかに、闘志の火が湧いてきました。

 

 

 そうして、探す事1時間。

ようやく、

{神奈川県自然環境保全センター}

という、傷ついた野生動物を保護し、治療、回復の世話をし、最終的に野生に戻すことを目的とした、神奈川県のサイトを発見しました。

 

 初めて知りました。

怪我をした動物の世話をし、また野生で生きられるよう、地道な活動を行なっているところがあったとは。

今の状態では、鳥インフル規制のかかっていない、この施設が、私(とりさんも)のたった一つの、一筋の希望の光です。

 続く。。。

 

 

 

 

なんだか悠然としているとりさん