次の日。
朝早くから、私は愛車キャロル号で、厚木市の山の中へと、向かっていました。
このキャロル号は、私の唯一の親友で、重たい電子ピアノからバリトンサックス、行き倒れの鳥まで、なんでも運んでくれます。
神奈川県自然環境保全センター。 厚木市七沢657。 046-248-0500
こんな神様みたいなところがあるなんて、もう山の中だろうが、海の中だろうが行きますよ。
そして、走ること1時間。
その施設は、里山風の小高い丘の上にありました。
(見学施設)(保護の檻のあるエリア)(環境保全エリア)に分かれていて、すべて見学可能。
遠足にも最適なので、自然の空気の中で、ゆっくりされたい方には、オススメです。
とりさんは、車内から外の様子を見て、自分が慣れ親しんだ自然がいっぱいなので、にわかにそわそわしだしました。
やはり、野生動物には、大自然が帰るべき住処なんですよね。
で、車の中で、預ける準備をゴソゴソしていたら、わざわざお医者様がニコニコしながら、出向いてこられました。
『どうかされましたか?』 (ニコニコ)
『いや、昨晩ツルを保護しまして。』
『ほーう、ツル。ちょっといいですか、、、チラ、、、あー、はい。じゃあ、ちょっと状態を診ますね。』 (ニコニコニコ〜)
ここで、ようやくほーっ!と息がつけました。
あー、良かった〜、なんとかなりそうだ。。。
そのまま箱ごと施設の看護師さんに預け、いろいろ記入事項があるそうなので、一緒に施設に向かいました。
診ていただいたところ、この鳥は ”アオサギ” という種類らしく、渡り鳥ではなく、留鳥(とめどり・りゅうちょう)。
要するに、日本各地に住み着いている鳥らしいです。
看護師さん曰く、今の状態的に、人にすぐ捕まるようでは、鳥としてよろしくなく、且つ、かなり痩せていて、年齢も上の方。
たぶん、この冬エサを十分摂れなかった様子なので、さまよって、人里に出てきたのだろうということでした。
性別は不明。
なんか頭も打っていた様子です。
ただ幸いなことに、どうやら骨折等はないようなので、自分でエサを食べようとしだしたら、体力の回復は早いでしょう、とのことでした。
ので、このままお預かりします、と言ってくれました。
いやあ、本当に助かりました。何度もお礼を言いました。
でも、最後に、
『今回は、遠いところをわざわざありがとうございました。
また、こういうことがあったら、ぜひこちらに連れてきてください。
一度こういうことがあると、不思議と何回もそういう場面にあう方が多いみたいですから。
これからよく遭遇すると思います。』
と、ちょっと気になることを、おっしゃられました。
それって、そういう係に選ばれた、ということですか?
助手席に座るとりさん