2021-05-15

とりさん2/2

 次の日。

 

 朝早くから、私は愛車キャロル号で、厚木市の山の中へと、向かっていました。

このキャロル号は、私の唯一の親友で、重たい電子ピアノからバリトンサックス、行き倒れの鳥まで、なんでも運んでくれます。

 

 

 神奈川県自然環境保全センター。 厚木市七沢657。 046-248-0500

こんな神様みたいなところがあるなんて、もう山の中だろうが、海の中だろうが行きますよ。

 

 

 そして、走ること1時間。

その施設は、里山風の小高い丘の上にありました。

(見学施設)(保護の檻のあるエリア)(環境保全エリア)に分かれていて、すべて見学可能。

遠足にも最適なので、自然の空気の中で、ゆっくりされたい方には、オススメです。

 

 

 とりさんは、車内から外の様子を見て、自分が慣れ親しんだ自然がいっぱいなので、にわかにそわそわしだしました。

やはり、野生動物には、大自然が帰るべき住処なんですよね。

 

 

 で、車の中で、預ける準備をゴソゴソしていたら、わざわざお医者様がニコニコしながら、出向いてこられました。

『どうかされましたか?』 (ニコニコ)

『いや、昨晩ツルを保護しまして。』

『ほーう、ツル。ちょっといいですか、、、チラ、、、あー、はい。じゃあ、ちょっと状態を診ますね。』 (ニコニコニコ〜)

 

 ここで、ようやくほーっ!と息がつけました。

あー、良かった〜、なんとかなりそうだ。。。

そのまま箱ごと施設の看護師さんに預け、いろいろ記入事項があるそうなので、一緒に施設に向かいました。

 

 

 診ていただいたところ、この鳥は ”アオサギ” という種類らしく、渡り鳥ではなく、留鳥(とめどり・りゅうちょう)。

要するに、日本各地に住み着いている鳥らしいです。

 

 

 看護師さん曰く、今の状態的に、人にすぐ捕まるようでは、鳥としてよろしくなく、且つ、かなり痩せていて、年齢も上の方。

たぶん、この冬エサを十分摂れなかった様子なので、さまよって、人里に出てきたのだろうということでした。

性別は不明。

なんか頭も打っていた様子です。

 

 

 ただ幸いなことに、どうやら骨折等はないようなので、自分でエサを食べようとしだしたら、体力の回復は早いでしょう、とのことでした。

ので、このままお預かりします、と言ってくれました。

 

 

 いやあ、本当に助かりました。何度もお礼を言いました。

でも、最後に、

 

『今回は、遠いところをわざわざありがとうございました。

また、こういうことがあったら、ぜひこちらに連れてきてください。

一度こういうことがあると、不思議と何回もそういう場面にあう方が多いみたいですから。

これからよく遭遇すると思います。』

 

と、ちょっと気になることを、おっしゃられました。

 

 

 

 

 それって、そういう係に選ばれた、ということですか?

 

 

助手席に座るとりさん