ここに一冊の本があります。
{ 8時だョ!全員集合伝説 }。
この『8時ダヨ!!ぜんいん、しゅうご~~う!!』のフレーズ。
読者の方の中にも、このフレーズで育った世代の方は多いと思います。
私も子供の頃、毎週土曜日にこの番組を見て大笑いするのが、唯一の心のオアシスでしたね。
ですから、最後にカトちゃんが、
『歯~みがけよ!』
『また来週~!』
という瞬間が、とても悲しくて寂しくて、たまらなかったです。
いつ頃から見始めたのかは、さだかでないんですが、志村が加入する前の、加トちゃん全盛時代からのファンのように思います。
懐かしいですね~、
『うおっす! もう一丁、うおっす!!』
もうこれだけで、在りし日のドリフターズとお茶の間の、団欒のひとときが彷彿とされます。
いつも不思議だったのは、番組が始まった瞬間の、ブラウン管を通して一気に伝わってくる会場の熱気でした。
直後、いかりやの
『8時だョ!~』
のかけ声と会場の
『全員集合~!』
の声のテンションの高いこと。
これは伝説本によると、普通、生番組はスタッフから本番前に5分程度、” 拍手の仕方とかの事務的な説明 ” があるらしいのですが『8時だョ~』の場合、なんとドリフメンバーが30分も前にステージに立ち、
『はい、そこのおかあさん、拍手する時にワキの下押さえないように!』
とか、
『高木ブーにえさを、与えないでください』
とか、ミニコントを繰り広げつつ、会場中を大盛り上げに盛り上げて、一気に本番に突入していたそうです。
さすが、視聴率40~50パーセントを誇った怪物番組。
びっくりしたのは、この土曜日の一時間の生放送の為に、毎週ドリフメンバー全員が、木金と徹夜に近い状態で、ゼロからコントを作り上げていたということです。
普通、ネタ作りは放送作家とかがやるもんでしょうが、ドリフの場合、いかりやが少しでもネタに違和感を覚えると、すぐに待ったがかかり、そうなると平気で、5時間6時間が過ぎていき、又始めからの構想の練り直しらしいです。
毎回こんなんですから、リハのランスルーなどする時間は、到底ありません。
いつも本番ギリギリまで、ネタ合わせに費やされ、そのまま本番突入だったそうです。
まさに、生みの苦しみ。
これをなんと、16年間も続けてたんですから驚きですね。
聞くだけで、また胃が痛くなってきます。
そんな数あるネタの中でも、個人的に好きなネタは、志村と桜田淳子の
『アタシってダメな女ねシリーズ』
でした。
志村が帰っても、米は炊いてない、風呂は湧かしてない、ダメダメ新妻の淳子が、その度に志村に怒られる。
すると急に悲しい音楽が流れ、
「アタシってダメな女ね、ヨヨヨ~」
と、泣き崩れる淳子。
そんなことはナイヨ、ゴメンよ、愛してるよ、と必死になだめる志村。
するととたんに、バラ色の音楽が流れ、
「淳子、幸せ!」
と叫ぶ淳子に、あ~もう、めんどくせーなーと超情けない顔をする志村。
と、これだけのコントなのですが、毎回、妙に壷にハマってました。
あとはお化け屋敷シリーズですかね。
暗い屋敷内を、探検するドリフ隊員の後ろに、ガイコツが近づいてきて、会場中が
「志村!後ろ!うしろ!!」
と絶叫するんですが、へ?後ろ?と、志村が振り返った時には、ガイコツは消えてます。
あのドキドキ感が、子供心に、とてもワクワクしましたね~。
あと、国語算数理科社会シリーズ、長屋シリーズとか。
いかりやと、いかりやをハメようとする、4人のベタなやりとりが、とても気に入ってました。
今思うと、週末の家族の団欒の時間を、日本中がゆったり暖かく過ごせていたであろう、幸せな時代だったんじゃないかなー、と思います。
その家族を、週末夜8時に、集合させてくれていたのがドリフターズであり、ですから私の中では
『イッチョメイッチョメ、ワーオ!』とか、
『ヘックション!』とか、
『チョットだけヨ~』
というフレーズは、私の人生の、ゴールデンタイムのキャッチフレーズでもあり、幸せな過去の象徴、幸せな時間の象徴、でもあるのです。
でも
『チョットだけヨ~』
が座右の銘というのも、うーん、なんというか。。。。。。。。ダメだこりゃ!