演奏旅行に行ってまいりました。
場所は愛知県豊橋市。とある名門高等学校の夏恒例の音楽鑑賞会でした。
音楽鑑賞会、、、もう思わず、襟を正さずにはいられないテンション感ですね。
僕ら普段は瞬発力で音楽をやっているようなもんですから、アカデミックな響きに正直慣れてないんですが、名称はともかく、音楽ですからそこはもう、楽しんでいただけたらヨシとしてください、の気持ちで普段のテンションで演奏いたしました。
僕が小学生の頃、民音という楽団が学校に来て、小編成の室内楽を体育館で披露してくれました。
曲名は覚えていませんが、有名なクラシック曲ばっかりだったのでとても楽しく、何より生の演奏にすっかり魅了された1時間でした。
正確には、あの感動の体験が音楽人生の出発点だったようにも思います。
それだけ心に残る演奏でした。
そこに原点があるものですから、いつか大人になった時はあんな素晴らしい学校演奏を披露して、子供達に音楽の楽しみを伝えられるようになりたいと、つねづね思っておりました。
そう思ってはいたのですが、やはりそこは普段のライブ生活の地金で、にわかに思い出にある ” 室内楽的な崇高なる演奏 ” など出来るわけもなく、ましてや子供とはいえ、千人を超すうら若い女子高校生を前にして、ハッと気が付いたらパーカス仲間と一緒に吸い込まれるように客席に乱入、子供達の熱気の中を、練り歩いて吹き歩いておりました。
しかも途中で、生徒さんの手を握って楽器のトリルキーを一緒にプルプルプルと操作するという、秘伝の演奏体験術(セクハラ演奏?)で会場を盛り上げて来ました。
大騒ぎですよ、もう。
あの感銘を受けた、民音のヴァイオリニスト達から受けた気高い感動も、軌道がずれると、こうもお祭りテイストになってしまうのか、という、いい見本です。
それでも終演後に、校長先生様がわざわざご挨拶に訪れてくれまして、じつにご丁寧な御礼のお言葉を賜りました。
なんでも後で聞いたところによると、ここの高校出身の女の子は躾がとても宜しいそうで、愛知県ではお嫁さま候補として、男性人気が特に高いそうです。
このりっぱな校長先生にしてこの子達あり、といった、とても素直でいい子達でした。
という、個人的には、あの民音楽団の理想の演奏にははるかに及ばないながらも、それなりに楽しんでもらえたようだからヨシとする、その点では心に残る演奏旅行でした。
でも、崇高なる演奏ではなく、女子の手握りトリル技(君、手が冷たいね。心が優しいんだね、とか言う、スキンシップ親父の流れに近い)とかについつい走る私は、いつになったら、大人な演奏ができるようになれるのでしょう。