先日、作曲をしている、友人のお仕事に行ってまいりました。
今回の録音スタジオは、何をどう間違えたんだか、大きなコンサートスタジオでの録音でした。
近年は録音技術も発達し、便利な世の中になりました。
ちょっとフレーズのキメが甘くなっても、
「しばらくお待ちください。」
と、エンジニアさんの声がヘッドフォンに流れ、一刻後、
「ハイ、じゃ次、18(小節)からお願いします。」
と、次々に話が進んでゆきます。
コンピューター上で、音を整合させているんですね。
こういうコンピューターの達人とのお仕事は、とっても楽でした。
でも今回秀逸だったのは、友人が、私の演奏後、
「はい、コレいただきました~」
とか言った後で、
「ほかには?」
と聞いてくるので、それじゃあ、と楽器を持ち替えて別パターンを録音すると、
「はい、これもオッケーです。ほかには」
と、また聞いてきます。
要は納得してないのですな、この人は。
あげくの果てには
「もっと、ムチャクチャなフレーズ吹いてよ」
とか、
「ナベちゃん、ビヒョーみたいなの、なんかないの?」
とか言ってくるので、ええんかいなと思いつつも、ビヒョー、ピロリロー!とか録音すると、
「あ、それいい!それのもっとグオーって弾けつつも、それでいてグチャグチャなやつ頼んます」
とかもう、言いたい放題です。
ので、知らんでーとか思いつつもベヒョー、ブリブリー!とばかりに吹いて、その後は建物内の社食で、みんなでスパゲティを食べて帰ってきました。
その後、完成は深夜になったそうで、いやーこだわるこだわる。
でも仕上がりは上々で、エンジニアをはじめ、他のプレーヤーの皆さん達、やっぱり巧みなもんですね。
でも面白かったのは、今回仕上がった音をよく聴くと、その友人も気持ち良さそうに、コーラスに混ざって歌ってるんですな。
どうやら人に言いたい放題言うからには、自分もやりたい放題しないと、気がおさまらなかったようです。
が、とてもいい仕上がりになったと思います。
日曜日朝8:25、NHK『サキドリ↑』。
ご縁があったら、一度聴いてください。