2011-06-01

ピロリロ、グオー、グチャグチャ

 先日、作曲をしている、友人のお仕事に行ってまいりました。

今回の録音スタジオは、何をどう間違えたんだか、大きなコンサートスタジオでの録音でした。

 

 近年は録音技術も発達し、便利な世の中になりました。

ちょっとフレーズのキメが甘くなっても、

「しばらくお待ちください。」

と、エンジニアさんの声がヘッドフォンに流れ、一刻後、

「ハイ、じゃ次、18(小節)からお願いします。」

と、次々に話が進んでゆきます。

 

 コンピューター上で、音を整合させているんですね。

こういうコンピューターの達人とのお仕事は、とっても楽でした。

 

 でも今回秀逸だったのは、友人が、私の演奏後、

「はい、コレいただきました~」

とか言った後で、

「ほかには?」

と聞いてくるので、それじゃあ、と楽器を持ち替えて別パターンを録音すると、

「はい、これもオッケーです。ほかには」

と、また聞いてきます。

 

 要は納得してないのですな、この人は。

あげくの果てには

「もっと、ムチャクチャなフレーズ吹いてよ」

とか、

「ナベちゃん、ビヒョーみたいなの、なんかないの?」

とか言ってくるので、ええんかいなと思いつつも、ビヒョー、ピロリロー!とか録音すると、

「あ、それいい!それのもっとグオーって弾けつつも、それでいてグチャグチャなやつ頼んます」

とかもう、言いたい放題です。

 

 ので、知らんでーとか思いつつもベヒョー、ブリブリー!とばかりに吹いて、その後は建物内の社食で、みんなでスパゲティを食べて帰ってきました。

 

 その後、完成は深夜になったそうで、いやーこだわるこだわる。

でも仕上がりは上々で、エンジニアをはじめ、他のプレーヤーの皆さん達、やっぱり巧みなもんですね。

 

 でも面白かったのは、今回仕上がった音をよく聴くと、その友人も気持ち良さそうに、コーラスに混ざって歌ってるんですな。

どうやら人に言いたい放題言うからには、自分もやりたい放題しないと、気がおさまらなかったようです。

 

 が、とてもいい仕上がりになったと思います。

日曜日朝8:25、NHK『サキドリ↑』。

ご縁があったら、一度聴いてください。