2023-09-01

レディファースト

 いつもの行きつけのディナーの店。

繁盛店なんで、夜7時はお店の外にまで、待ちのお客が溢れています。

 

 以前、ウェイティング順を越され、後回しにされた子連れ客が、プンスカ怒って出ていったお店でもあるので、仕切り人がいない日は阿鼻叫喚の店となります☺

ですが、本日は仕切り人の店員さんが在店していたので、混んではいても客同士の内乱には発展せず、実に平和です。

 

 仕切り人は、合間合間にせかせかとウェイティングボードを確認しては、どんどんと待ち客を席に座らせていきます。

安定の仕切り。

なおかつ、すぐに冷たいお茶を出してくれて、業務的ではありますが、

『お決まりのころにお伺いします』

と言い、忙しそうに去っていきます。

 

 その際、先に座っていた、小学生くらいの女の子を連れた夫婦が、

『こっちも、お茶をください』

と、言いました。

出し忘れです。

そう、後回しにされる屈辱に対し、空腹客は非常に敏感なのです。

 

 ですが、さすがは仕切り人、すぐさま

『あーごめんなさいね!』

と謝り、お茶を汲むと

『はい、レディファーストですから、御主人はちょっと待ってください。』

と、奥さんと女の子に、先にお茶を出しました。

 

 仕切り人、失礼ながら、英語に無縁そうな、相撲取り体型の、どことなくガサツなイメージの方です。

その人の口から、

『うちはレディファーストです』

と言われたもんだから、子供も夫婦もニヤニヤしています。

自分も、今こうして思い出しただけで、なんかこうヘラヘラ笑いがこみ上げてきます。

 

 きっとこの家族は常連さんで、毎回この仕切り人の『レディファースト』発言を楽しみに、来てるような感じがしました。

特に小学生の女の子が、(待ってました!)みたいに、嬉しそうです。

いいですねえ。

横文字が実に似合わない、無愛想そうな達磨さん体型からの、いきなりのレディファースト発言。

舌がもつれながらも、頑張って発言してる感じも良かった。。。

 

 心の師と呼ばせていただきます。