甲州街道、山手通り、環状八号線。
一日に何百万台もの車が行き来する、天下の大動脈から横の小道を20メートルほども潜ってみたら、、、
もうそこは知られざる、東京のディープな顔でした。
とある夏の休日、バイクに乗って都心の昼街道を、のんびり走っていたのですが、ふと自分でも何を思ったのか、一方通行の裏路地に入ってみました。
入ってすぐに、表通りの凄まじい車の騒音が、ふと消えたのには驚きました。
東京の下町ゾーン。
その道路は、一昔前の迷路のような生活道路で、夏の暑いさなか、昔ながらに家中を開け放して涼をとる、下町路地裏の生活が、そこにありました。
あまりにもゆったりとした時間が、とても心地よかったので、なるべく幹線道路とは逆の、静かな方へ、不思議な空間の方へと足を向けました。
そこには、閑静な住宅街に森のような森林公園があったり、坂道の上にはツタが壁一面に絡まった年代物の建物が聳えていたり。
そうこうしているうちに、乙女橋と命名された小さな橋に出ました。
川向こうは、緑に木々が茂ってうっそうとしていますが、春はさぞかし桜が綺麗だろうと思わせる風情。
武蔵野の、こじんまりとした一面を思わせます。
この小さな川は神田川。
♬ あなたはもう、忘れたかしら?
の、あの神田川です。
初めて見ました、神田川。
昔、若者がヤングと呼ばれていた時代に、この川沿いに安アパートが立ち並んで、いろんな青春の一コマが流れていったのでしょう。
神田川、という言葉だけで、なんかこういろいろグッときますね~。
でも時代は変わっても、川のながれはそのままに、と言った感じで、その日も多分昔と同じように、水はさらさらと流れていました。
また、春にでも行ってみようかと思います。