スカイネットアジア(SNA) の飛行機はえらく小振りでした。
いとこの結婚式で、おじちゃんがわざわざ航空券をとってくれたのには大感謝でしたが、駐機場に止まっているその飛行機は、周りのANAとかJALとかの飛行機に比べると、ふたまわりほども小さく見えました。
田舎路線の飛行機らしい佇まいです。
さて、乗り込んでみると、まあまあの盛況ぶりを思わせます。
ですが、かなりモワッと、暑く感じたので客室乗務員さんに、
「なんか暑いです。」と、言うと、
「エンジンがかかってきましたら、だんだん冷えてまいりますので。」
と、にこやかに言われました。
そっか、飛行機とはそういうもんかー、と思って、荷物を頭上の荷物入れに入れようとしましたが、今度はボタンをいくら押しても扉が開きません。
ので、またもや客室乗務員さんに、
「これ、開かないんですが、、。」
というと、客室乗務員さんは、何も言わずフンッと気合一発、一回で扉を開けてくれました。
昭和のテレビみたいです。
そうこうしてるうちに、シートベルト着用サインが出たのですが、よくよく観察してみると、この機はどの席も、なんだか座席の間隔が狭いのです。
座席自体もよく見ると、なんだか簡素な作りの座席で、しかもシートの布がえらく擦り切れていて、所々中身部分が垣間見えています。
備え付けのテーブルを出してみると、お腹にググッと食い込んでくるような距離で、身動きがとれなくなるので、しまいました。
でも腐ってもジェット機、加速はとても軽快で、ふわりと空に飛び立ちました。
でも窓の位置が中途半端に低く、しかも前後にズレてて小さいので、外を眺めるには姿勢が悪くなってしまい、富士山とかも十分楽しめませんでした。
あとで調べてみたところ、このSNAという航空会社の保有機体は7機あり、それらはすべて外国路線で使われた飛行機(中国、ロシアなどでしこたま使用された古い機体)を、リース会社から安く借りて調達しているようです。
路線は、羽田から九州の各都市の間を専門とし、就航開始は今から6年前みたいですが、その2年後には早くも力尽きて倒産。
その後いろいろと頑張って、コストを押さえ、ようやく黒字転換出来たという、なかなかファンキーな航空会社のようです。
ので、座席ポケットのパンフ、緊急脱出案内のガイドペーパーとかは、もう可哀想なぐらいシワクチャのヘロヘロでしたね。
フレッシュなのは、客室乗務員さんとパイロットぐらいなもんで、それ以外のハード面は、なんか全てが老体にムチ打ってる感じがあって、イイ味を出しておりました。
そういえば、昔ある人から聞いた話ですが、じつは飛行機というものは、それに乗っているすべての人達が、心の底から( 飛べ!)と思わないと、絶対飛ばないものなのだそうです。
ですから一人でも( 落ちる!)と思ったら、その瞬間に、その飛行機は落ちてしまうらしいです。
前回の帰省の時は、私は飛行機の中で(あーもしかして落ちるー!)と思った瞬間がありましたが、その時は着陸寸前だったので、きっと助かったのでしょう。
ですから今回は、私は心の奥底から、この飛行機を応援しました。
そして機は無事に、宮崎空港上空に差しかかりました。
私が心から応援したおかげで、定刻よりもすこし早く到着しました。
でもなかなか頑張ってますね、SNAスカイネットアジア。
これは地元御用達の航空会社なので、今後も応援していきたいと思います。
なんせ、宮崎に早割片道一万一千円ですからね。びっくりのお値段です、これは!
皆さんも是非、九州にお立ち寄りの際には、SNAをご利用ください。
でもまた、倒産が心配だなあ。