2007-07-15

伸び

 先日、田舎に帰省した時のこと。

 

 その日は、姉貴さんのこども二人が一緒に来てたので、田舎のおじちゃんが、子供たちを海に連れていってくれ、そこでたくさんの、カキやら貝やらを収穫してきました。

 

 帰るなり、下の4年生の女の子が

「ね、ね、じゅんいち!たくさん取ってきたよ。(わたしはナゼか呼び捨てにされている)タコもいるよ。」

と言いました。

磯にタコ?と不思議に思っていると、なるほど、ちいちゃい赤ちゃんダコが、カキにへばりついていました。

 

 

じ「ああ、これってたべるの?」

姪っ子「うーん、わかんない」

じ「じゃあさ、まだちいちゃいから海に帰そう。いい?」

姪っ子「帰すの?」

じ「うん、帰そう」

姪っ子「うん、いいよ」

 

 

 姪っ子が快く了解してくれたので、さっそくタコを、カキから丁寧にはがして、容器にいれました。

それだけだと、すぐ死んじゃうので、バケツのそこの溜まっていた、海水と入れてやると、スグにタコはパーフーパーフーと呼吸を始めました。

めいっこが「バイバイ」とタコの頭をなでてました。

子供ってかわいいですね。

 

 

 さてここからが勝負です。

磯までは歩いて10分。

でも宮崎の日射しは麦わら帽子がないと、まず1時間で具合が悪くなるほどの熱気なので、容器の水温が心配ですし、酸素もあまりありません。

揺らして具合が悪くならないよう、必殺の競歩で磯までたどり着きましたが、やはりもう容器の中で、タコはひっくり返っていました。

 

 (あ~あ、いつかのイセエビと一緒かなあ)と、半分諦めかけてたのですが、それでも新しい冷たい海水に入れてやったところ、なんとかふたたび呼吸を始めたので、様子をみる事にしました。

すると、やはり、母なる海の水は生命の水!

偉大ですね。

赤ちゃんダコは、ぐーんと深呼吸をすると、伸ばした肢をブルブルブルーと震わせました。

まさかタコが、伸びをするとは思いませんでしたので、ちょっとビックリです。

 

 動物って、なんでも仕草が一緒なんですね。

赤ちゃんダコも、ちっこい足をプルプルーと震わせて、酸素を取り込んでいました。

で、しばらくたつと、吸盤の吸い付きも復活してきたので、もう大丈夫と思いゆっくりと、岩場の影にくっつけて、事無きを得ました。

 

 なんだか、かわいかったです。

今も磯で、元気にやってくれてたらいいなあ、と思いますし、大きくなって、もしかしたら、また人間に捕まるかもですが、できればおまえは捕まってくれるなよ、と思いました。

 

 タコがくれた、宮崎での癒しの時間でした。