見られた方も多いでしょうが、こないだ深夜遅くに、TVで「怒りのメカニズム」というのをやっていました。
被験者には、健康値測定だとか言って、装置を取り付け(実は怒りの指数センサー)、わざとその被験者を怒らせる、というドッキリスタイルの展開でした。
いや~、根が小心者だからもうドキドキして、見ちゃいられんかったですねえ。
なんでわざわざ人を怒らすの?って感じですが、そこはまあ実験だから仕方ないです。
で、いろんな方が、カメラの隠してある喫茶店に来店するわけですが、店員の態度が超サイアク。
何度も何度も、注文を聞きにきたり、その聞き方も、
「注文なんスか?」
とかだったり、被験者がちょっと文句を言うと、
「はい、了解。」
とか、けんもほろろだったり。
この時点で、被験者の怒り指数(平静時は60くらい)が85、120、160とうなぎ登りに上がっていくわけです。
で、もう一触即発寸前!まできたら、スタッフが、
「どうもすいませんでした~」
と、タネ明かしをやる訳ですが、もう見ている方はハラハラドキドキ、心が痛いのなんのって、、、。
穏やかそうな、おじさんとかおばさんが、だんだん豹変していって、
「ちょっと!!失礼な態度、やめてもらえます!!」
とか、店員に詰め寄っているのって、チョーコワイ。
で、そうこうしていると、今度は非常に穏やかそうなお坊さんが、被験者として喫茶店にきました。
えーっ、こんな人の良さそうな人も騙すんかいな、もうやめようよー、と思ったのですが、見ていると、なんか今までとちょっと様子がちがいます。
例のサイアク店員が、どんだけ失礼な態度で。注文を何度も何度も聞き返しにきても、お坊さん何度でもニコニコー。
「はい、コーヒーをお願いします。」
しばらくして店員「最初確かトマトジュースって聞いたんですけど」
お坊さん (ニコニコー)「はい、コーヒーをお願いします。」
あげくの果てに店員「日曜はコーヒーやってないんですげど」
お坊さん(ニコニコー)「じゃ、なんでもいいです。」
ちなみにこのお坊さんの数値は、常に60前後。と、ここで今度は番組側がギブアップ!
タネ明かしをして、お坊さんの完封勝ちー!!
どうやら今までの方々は、皆さん、やられたらやりかえす方向で対処してたんですが、このお坊さんは、このイライラ中枢への攻撃に対して、理性の抑制ですぐ対応する術、を身に付けられているようでした。
ただ、一度だけ数値が、60から65に変動した時がありました。
それは、コーヒーは日曜はやってないと言われたのに、他のお客には店員が、
「コーヒー、お待たせいたしました」、と持っていったのを、聞いた時でした。
ですが、その変動も一瞬のことで、すぐに平常値60に、数値は落ち着きました。
不慮の展開に対しても、自然に精神がニュートラルに保たれる。
後で、お坊さんに聞いたところ、
(自分は今日ここに、コーヒーを飲む為に来た訳ではないから、別に何でもよい)
と、自分で自然に、理性を働かせたらしいです。
なので、怒りの感情が増幅せず、平常心を常に保つ事ができたんですね。
いやあ~サスガ、修行の賜物。
やっぱお坊さんは俗人と違うわ。なんかその飄々とした風情が、超かっこ良かったです。
私も、休みの度に、引き蘢りとかばっかりやってないで、少しは人生修行して、生き方を見直してみよう、と、一瞬だけ思いました。