僕は食いしん坊です。食べ物はとっても好きですね。
食べる時は黙ってモクモクと食べます。私には、お友達とお喋りを楽しみながらゆっくりお食事をする、気の置けない友人と、楽しい会話と楽しいランチ、なぞ、ハイレベルすぎて論外です。
友人と食べにいくのは、楽しくていいんですが、ハラ減ってるからメシ食うわけで、食べる時は思わず真剣に食べてしまいます。
私語禁止です。
目の前のご馳走が気になって気になって、真剣にならざるをえないんです。
私には、ゆっくりじっくりお食事することは非常に困難です。
で、今回は食べ物に関するお話。
大阪時代、仕事の打ち合わせでファミレスに行った時、相手の方が
「すいません、私食べるのが遅いんです。」
とおっしゃったので、
「いえ、どぞどぞ、ごゆっくり召し上がってください。ま、打ち合わせしながらボチボチやりましょう。」
と、迂闊にお答えしたのですが、その人はホンマに遅かった。
よく見ると、一口分の箸ですくう分量が、とっても少ないんですね。
しかもその方女性だったんですが、話の合間によく脱線する人だったもんで、打ち合わせも食事も一向に先に進まんのですわ。
予定では、40分くらいで済むミーティングのはずが、40分経過時にその人の皿は、まだ2合目付近でした。
終いには打ち合わせの内容よりも、その人の一口分の分量が、とっても気になりだしまして、
「その一回あたりの量、限界ですか?増やすことって可能ですか?」
と言いたい衝動に、何度かられた事か。
それほどまでにじれったい分量を、口に運んでは脱線を繰り返し、なさるんです。
一回あたりのごはんの摂取量より、そのお喋りのカロリー消費量の方が、上のような気がしました。
その割には小皿をいっぱい注文されてたんで、その方の周りには花が咲いたように、まだ手つかずのお料理が並んでました。
フルマラソンで、ちょうど10キロ付近を、へとへとで通過した時に感じる、絶望感とでもいいましょうか。
結局2時間ぐらいかかって本編の食事が終わりました。(その人の食事がです。ナベは開始10分で終了してました。)
つらかった。
すっかり暗澹とした気持ちにさせられました。
逆にお店を出た時には、こっちが早くも、お腹すいてきてました。
食べそびれたのもありまして、昔ですが小学校の家庭訪問の時のお話です。
卓上に出されたブルボンホワイトロリータが、なんと手つかずだったので、先生を次の子の家に案内した後、大急ぎで帰ったらもうすでに、跡形も無くなっていた。
すごいショックでした。
母親が食っちまったんですね。
もう半泣きで抗議しましたが、なぜか逆ギレされて、理不尽だったのを憶えてます。
そういやこないだ、一流ホテルでサックス講師大集合みたいなシンポジウムがありました。
その日は研修終了後に夕食会がある、と聞いていたので、とってもとっても楽しみにしていました。
で、研修も無事終わり、楽しい夕食会が始まったのですが、お皿を持ってご馳走をよそいに行こうとしたら、スタッフに捕まって、
「渡辺さん、何か一曲吹いてください。」
と言われて、じゃあ吹いてからゆっくり食べよう~なんて思っていたら、なんだか演奏の段取りがとっても悪く、無駄に時間がかかり、無事吹き終わってさあ、食べるぞー!!という時に、司会が、
「それでは、宴もたけなわではございますが、皆様、そろそろお開きとさせていただきたいと思います。」
なんじゃそりゃああ! by 松田優作
気を失うほどのショックを受けました。
今でも、こうして思い出していても、涙が出てきます。あまりにもかわいそうすぎる。。。
食べそびれると言うのは、一様に切ない気持ちになるみたいです。いろんな意味で。
ブルボンホワイトロリータを
手に取るたびに 思い出す
母の顔
じゅんいち