2006-11-01

危うきには近寄らない方が

 自分の存在なぞ、水に流される落ち葉みたいに、か弱いモンだな、とつくづく思いました。

 

 こないだ渋谷駅で山の手線に乗ったら、乗った電車が、そのまま駅で待機になってしまいました。

 

 アナウンスによると、日暮里付近で線路内に立ち入った人がいるため、付近に停車した電車の運転士と車掌が、只今救出に向かっています、とのこと。

お急ぎのところ、大変申し訳ありません、とのこと。

 

 それって、そいつが100%悪いんだから山手線は悪くないよーと思いつつ、ウォークマンを聞きながら30分も待ったんですが、まだ動かない。

 

 30分後、またアナウンスがあって、只今立ち入った人を救出(捕獲?)に向かっておりますが、その人が線路内を逃げ回っているため、もうしばらくお待ちください、とのこと。

すごい迷惑なんですけど。

何者、そいつ?

 

 

 思い返せば、そいつのせいでこうなった。。

 

 大勢の人が別路線に乗り換えるべく、電車を降りたんですが、その通路でのこと。

その通路、動く歩道なんですが、あまりの人の多さで、歩道の終わり付近で、渋滞してきたんです。

人は詰まっているのに、足元だけ前に進むから、すごく危ない。

 

 で、その危険を察知したわたしは、何とかしなければいけない!と思い、サッと歩道の脇の狭い通路に降り、今来た逆の方向へ、颯爽と走りはじめました。

 

 それは、動き続ける、危険な” 動く歩道 ” を止めるべく、自他共に認める身を挺した、英雄的な行動だったのです。(の、つもりでした。)

で、歩道の入り口に辿り着き、手すり付近の非常停止ボタンを、私は素早く押しました!

 

 ガコンッ、と歩道は止まり、出口付近での大惨事の危険は、こうして去ったのです。

 

 ですが、何も知らない入り口付近の人々は

「え~止まっちゃったよ~」

と、ぶつぶつ文句を言いながら、ナベをジロッと睨み、人々の波は、わたしを置いて、流れていきました。

誰にも感謝もされず、佇む私。

 

 そして前方より、渋谷名物ヤマンバガールが(まだ生息していた!)、混雑にブチ切れながら、こちらに接近してきました。

 

「ドケよー! さわんなよー!」 

と、腕をブンブンまわしながら、急接近。

大ピンチ。

幸い、それは私の横10センチを、隕石のように通過していって、事なきを得ました。

 

 

 総括1。自分は今ここで、一体なにをしてるんだろう。

 総括2。渋谷、カオスの街。行くなら自己責任で。