皆さん、今年もめちゃくちゃ暑い夏になりましたが、お元気にしてますか。
聞いた話によると、金星だか木星だかは日中の気温が400度とからしいから、こんな猛暑でも地球に生まれて、心から良かったと思います。
まあ暑い話からスタートになりましたが、9月に入るあたりから、秋の風がちらほら感じられるようになり、いよいよ夏も終わりに向かってる実感が湧くにつれ、ちょっと寂しくなりますね。
こないだ(8月29日と記憶してます)、寝苦しい夜に、ウトウトながらも眠りについていた、午前3時くらいでしょうか。
突然、耳元で“ニャアー”という鳴き声がして、びっくりして目が覚めました!
もちろん家では猫は飼っていないのですが、熟睡状態から一瞬で目が覚めるほどのリアルな鳴き声に、ハッ!と開いた目は真っ暗な天井を見上げ、覚醒したての意識は虚空をさまよいました。
ただ、その鳴き声の主はすぐに解りました。
私のバイク置き場を縄張りにしていた猫で、いろいろと昔から親身になってくれていた、猫のうーちゃんの声でした。
ちょっと前の話。
これまでもふらっと1、2ヶ月居ない時はありましたが、最近別の猫がシマをとりしきるようになり、いったいうーちゃんはどうしたのか気になっていました。
そして3ヶ月ほど前のある晩、隣の棟の主婦の方の後を追うように、よたよたと歩いてきた、変わり果てたうーちゃんに再会しました。
”虹ヶ丘の虎” と勝手に命名して、異名を馳せていた図太い面影はなく、すっかりやせ細り、その足下もおぼつかないうーちゃんは、それでも呼びかけると再会を喜んでくれているようで、ふらつきながらも喉をグルグル鳴らして、以前のようにまとわりついてきました。
飼い主の方の話によると、口内炎を患ったうーちゃんは、すっかりものを食べれなくなってしまったとの事で、それでも漢方かなんかで症状が少し回復し、ようやく食べ物が通るようになり、ちょっと元気(これでも!)になったので、運動がてらお散歩に出たという事です。
食べるという事は、すべての基本。
普通の猫ならこの口内炎に罹ると一命を落とすらしいのですが、さすがにうーちゃんはタフでした。
医者も見放したようですが、飼い主とうーちゃん自身の執念で、見事復活です。
久しぶりのうーちゃんは、以前にも増して浮浪者のような風情(病気でメヤニ、ヨダレ関係が著しいのです)でしたが、嬉しくてなでなでを繰り返し繰り返しやってあげると、全身で喜んでくれているようでした。
でも何が一番嬉しいって、うーちゃんがちゃんと私を覚えていてくれて、
「うーちゃん!」
と声をかけたら、弱っていたにもかかわらず
『ニャー!』
と、お返事してくれた事です。
さっきの声はどうやらその鳴き声でした。
深夜、部屋の中で覚醒した意識には、もうその鳴き声は2度と聞こえてきませんでしたが、何かこう、わざわざ挨拶しに来たような、そんな柔らかい、一言話しかけるような印象の声色でした。
今のところうーちゃんにはあれから会っていません。
もしかしたらさっきのは空耳で、うーちゃんは、さらに復活してまたエサをモリモリ食っているのかもしれません。
そんな気もします。
またあるいは、本当に来るべき時が来て、逝く前に仲良くした日々を懐かしんで、わざわざ挨拶しにきてくれたのかも知れません。
思い返すと、とても威風堂々とした賢い猫で、反面仲良くなると親しき仲にも礼儀を忘れない、やんちゃで不器用なとても愛すべき健気ないいヤツでした。
バイクで帰着すると、どこからかいつもニャーとやってきて、
『あー、うーちゃん、こんばんは!ちょっと片付けるから待っててね。』
そういうと、必ず背後でおすわりしてじっと待ってます。
で、片付けが終わり、
『はい、おまたせ。こんばんは〜!』
と言うと、
『ニャー』
と、待ってましたとばかりにトコトコ寄ってきました。
そこから、しばしのナデナデタイム。。
きっとまた秋口あたり、バイクをいじっていたら、いつものように背後から
『ニャー!』
と、声をかけてくれるんじゃないかな、とそんな気がしてしてならない、うーちゃんはそんな自由な猫でした。