はー、今年もバレンタインデーが無事終わって、ひと月以上経ちました。
またもや昔の話ですが、中学生ともなると、なにかと色気づいてくるもんです。
中学一年のバレンタインは、誰かチョコくれないかなあ~なんて、淡い期待を抱いて、本番当日を迎えました。
が、朝の下駄箱。なにもなし。
まあ朝っぱらからはさすがにいいことないよ、と気を取り直し、誰かくれるとしたら休憩時間かな、なーんて無駄にソワソワしてたんですが、いっこうに音信不通。
多分昼休みかな、きっと。
「渡辺くん、ちょっといい?』
なんてねー、などと、ちょっと妄想入ってみたりして。
で、気持ちの準備は整っているのに、またもやナベの周辺にはなんの気配もなく、ついに放課後になりました。
さあ、いよいよラストチャーンス!くるとしたら、これからです~!なんて、気持ちが自然に高まってきます。
実は御目当ての子がいたのです。
ですが、その子はいっこうに、ナベの元へは来てくれません。
教室内は、それぞれお目当てのコから、チョコをもらいたい男子と、本命にチョコをあげたい女子でごったがえしておりました。
誰一人帰ろうとしません。
今考えると、面白い風景だ。
私も,
” 俺今日はちょっと用事があるから居残ってるねん “
みたいな顔をしてましたが、いつまでも誰も来てくれないので、渡しやすいように(渡されやすいように)ちょっと外に出ました。
が、背後からの
「渡辺くうん、ちょっといい?」
は掛かってきません。
正味10分くらいでしたでしょうか。
しびれを切らして、ナベは教室に帰ると、な、な、なんと御目当ての子は帰ってしまっておりました。
ガチョーン!! (我知音・我れを知る音 by 谷啓)
目の前が真っ暗になりました。
ああ、自分の人生の全てが終わってしまった、と心の底から思いました。
肩をがっくり落として家に帰り着くと、遊びにきていた、隣りの気のいいオバチャンに、
「じゅんちゃんは、今日は沢山女の子からチョコレート貰ったやろうけど、オバチャンもいっこあげるね。」
なんて言われて、気分はさらに、どん底に落ち込みました。
(オバちゃん、そうやないんよ。オバちゃんのが一個目やねん!)
あまりのもてなさぶりに愕然とした、バレンタインデーの思い出です。
この日、女子における、自分の存在感のなさというのを思い知りました。。
それからしばらくは、無気力に生活してたような気がします。
30年以上たった今でも、あの日の絶望感は、今も鮮明に思い出されます。
みんな、元気にしてっかなあ。懐かしいトラウマです。