2008-04-01

君はモテてない

 はー、今年もバレンタインデーが無事終わって、ひと月以上経ちました。

 

 またもや昔の話ですが、中学生ともなると、なにかと色気づいてくるもんです。

中学一年のバレンタインは、誰かチョコくれないかなあ~なんて、淡い期待を抱いて、本番当日を迎えました。

 

 が、朝の下駄箱。なにもなし。

まあ朝っぱらからはさすがにいいことないよ、と気を取り直し、誰かくれるとしたら休憩時間かな、なーんて無駄にソワソワしてたんですが、いっこうに音信不通。

 

 多分昼休みかな、きっと。

「渡辺くん、ちょっといい?』

なんてねー、などと、ちょっと妄想入ってみたりして。

で、気持ちの準備は整っているのに、またもやナベの周辺にはなんの気配もなく、ついに放課後になりました。

 

 さあ、いよいよラストチャーンス!くるとしたら、これからです~!なんて、気持ちが自然に高まってきます。

実は御目当ての子がいたのです。

ですが、その子はいっこうに、ナベの元へは来てくれません。

 

 教室内は、それぞれお目当てのコから、チョコをもらいたい男子と、本命にチョコをあげたい女子でごったがえしておりました。

誰一人帰ろうとしません。

今考えると、面白い風景だ。

 

 私も,

” 俺今日はちょっと用事があるから居残ってるねん “

みたいな顔をしてましたが、いつまでも誰も来てくれないので、渡しやすいように(渡されやすいように)ちょっと外に出ました。

が、背後からの

「渡辺くうん、ちょっといい?」

は掛かってきません。

 

 正味10分くらいでしたでしょうか。

しびれを切らして、ナベは教室に帰ると、な、な、なんと御目当ての子は帰ってしまっておりました。

 

  ガチョーン!! (我知音・我れを知る音 by 谷啓)

 

 目の前が真っ暗になりました。

ああ、自分の人生の全てが終わってしまった、と心の底から思いました。

 

 肩をがっくり落として家に帰り着くと、遊びにきていた、隣りの気のいいオバチャンに、

「じゅんちゃんは、今日は沢山女の子からチョコレート貰ったやろうけど、オバチャンもいっこあげるね。」

なんて言われて、気分はさらに、どん底に落ち込みました。

 

 (オバちゃん、そうやないんよ。オバちゃんのが一個目やねん!)

 

 あまりのもてなさぶりに愕然とした、バレンタインデーの思い出です。

この日、女子における、自分の存在感のなさというのを思い知りました。。

 

 それからしばらくは、無気力に生活してたような気がします。

 

 30年以上たった今でも、あの日の絶望感は、今も鮮明に思い出されます。

みんな、元気にしてっかなあ。懐かしいトラウマです。