その日は朝、起き抜けから、なんか調子が悪かったです。
で、胃薬を飲み、お仕事に行ったのですが、刻一刻と気分悪いのが、増してきました。
で、地獄のお仕事タイムがなんとか終了し、帰途に着いたのですが、あんなにクルマの運転が苦しいのは、初めてでした。
なんせ500メートル進むたびに、路肩に止めて休憩です。
しんどくて。
家まで25キロほどもあるので、絶望感ひとしおでした。
エンジンの振動ですら気持ち悪い状態で、車内でのたうちまわってましたが、近くに寄ってきたおまわりさんは不審がって覗くだけで、どっか行ってしまいました。
クスリもまったく効かないし、もうどうしていいか分かりません。
で、覚悟を決めて、死ぬ思いで高速に乗り、一気に地元に帰り、その足で近くの救急病院へ駆け込みました。
初めてでしたね、夜の救急病院は。
で、なんとか助かった~と思ったのですが、その日はわたしの他に、先客が3.4名おられて、しかもあと救急車で運ばれてくる、緊急の方が2.3組おられたせいで、ドンドンドンドン、後回しにされてゆきました。
まあ自力で来るくらいだから、後回しにされたんでしょう。
でもさきほどの、街中で、周りの人に覗かれていくだけの、孤立無援の状況よりかは、はるかにマシです。
少なくとも、ここで死ぬ気遣いはないので、ひたすら長椅子にしがみついておりました。
で、診察も終わり、結局レントゲンの結果、胃が極度の消化不良をおこしていて、まったく機能してなかったようです。
消化促進の薬と痛み止めを処方してもらい、安静にするよういわれました。
なので、薬をもらうとすぐに水場を探して、待合室の方に歩いてゆきました。
ここの病院は総合病院なので、昼間は、外来で賑わっている広いロビーの空間が、闇の中に不気味に薄暗く広がっています。
苦しい時は気になりませんでしたが、やっぱ病院て、夜はちょっと不気味なオーラがありますね。
夜間の救急業務に必要な所以外は、電気は消えています。
受付とか、鉄格子型のシャッターが降りてるので、その向こうは真っ暗です。
遠くの方にパタパタと、看護婦さんか誰かの歩く、スリッパの音が消えていきます。
そんな時に、いきなりふっと、そこの角から人が出てきたら、と余計なことを考えたりします。
広いロビーの向こうの長椅子に、黒い人影が座っているのが、見えたりなんかしたら怖いだろうなあ、なんて、またいらんことをついつい、考えたりしてしまいます。
背後から急に、耳元で、
「内科は どこですか?」
なんて、声が聞こえたら、眠るように倒れるだろうなあ、、、。
なーんて、何でこんな時に、考えてしまうんでしょうか。
今しんどいからそれどころじゃないもんねー、
なんて、自分を誤摩化しても、やっぱコワイもんはちょっとコワかったです。
まあ、おばけ関係には遭遇せず、無事に帰宅しましたが。
でも今思うと、薄暗がりの中に、ポツンと点灯してるレントゲン室のあかりとか、ナースセンターの灯とかは、暗い不気味な中にも、何かしら人がいる感じが、なんとなく病人にとっては心の拠り所を感じられて、やっぱ病院てイイナーと、変なハマり方をしてしまいました。
これって、夜間病院萌え?ですかね。
でも、あんな広い暗い病院で、夜勤の看護婦さん、怖くないのかなー。
冬の夜の、ちょっとした冒険でした。