手元不如意。てもとふにょい。
何だかふにょふにょしてますが、年取るとアバウトになる実感を、最近噛みしめています。
まず言葉が出てこない。
こないだ職人さんにエンジンパーツの加工をお願いした際、依頼するかどうかしばし逡巡していたら、
『あ、そうだな、費用の折り合いがつかねえと判らねえからな』
とサラリとおっしゃった、この言葉。
手元不如意な私めのお財布事情を、知ってか知らずか、ざっくばらんではあるけども、さりげなく親身な物言いに、いたく感動してしまいまして。
だのに、思い返すたびにこの、『折り合い』という言葉が、出てこなくってですね。
もうホント、脳細胞が日々激烈に崩壊していってるんじゃないかと、ちょっとした絶望を味わっているんですが。
『費用の按配』『費用の都合』『費用の頃合い』『費用の駆け引き(?)』
などと、遠からずも近からずな言葉ばっかりが、邪魔をしてですね。
『折り合い』が、出てこない。
今回もパソコンに残しておいた整備記録のメモに、辛うじて残っていた『折り合い』を見て、ようやく思い出した次第。
物忘れも大概ですが、日常の見切り能力も、かなり性能がヤバイ。
昨日は、卵ご飯を作り、コンブをふりかけ、ちょっと寂しいから、おかずをもう一品温めようと、レンジの扉を開けたら、扉の上の卵ご飯がバチャーと降ってきました。
目の前30cmでの出来事です。
まずなんで、扉の上に、んなもん置くかな?
で、なんで、その状態でなんで無邪気に扉開けるかな?
見えてるだろうめが!!
一瞬生きる活力が消え失せましたね。
して、その反省もなしに、そのお椀を持ったままの移動中、肩幅の見切りが甘く、柱や襖に肩がガシガシ当たって、手に持った椀がユッサユッサ揺れまして、なんか到着までにだいぶ、中身が落ちてしまいました。
それでもなぜか勢いに任せて、ゆっくり歩こうとしない自分。
生きることの丁寧さに欠けているんでしょうか。なんでしょね?やっぱりこんなの僕だけですか?
こないだなんか、コーヒーを手に持ったまま、久しぶりに来た生徒さんに
『おう、久しぶり!!』
なんて、手を無邪気に降ったもんだから、腕、顔、床一面にビチャビチャビチャーー!!とコーヒーが飛び散りましたよ。
誰かとぶつかったー!というなら、コーヒーをこぼすのも話はわかるのですが、おう、久しぶり!で、すっかり嬉しくなっちゃっただけで、自分にコーヒー振りかけますかね。
手元不如意。
本来の意味は、家計が苦しいさま、の意ですが、文字通り、手元と頭がヤバイ。
誰かどうかいい知恵を授けてください。。宜しくお願いします。