あるお休みの日、快適なるお昼寝から目覚めると、外からピーピーピーピーと、鳥のヒナの声が、至近距離から聞こえてきました。
たまに、鳩がベランダに巣を作って、子育てをするので、ありゃりゃいつの間に巣を作ってたんかね~、なんて思いながら、ソっと見てみると、巣なんてどこにもありません。
いつの間にか、ヒナの鳴き声もしなくなっていたので、夢でも見たのかな、と思ってふたたび横になると、またピィ~と一声、情けない鳴き声がしました。
おっやはり!と思って、ベランダに出てみると、鳴き声が止んで、しぃ~んとしています。
う~ん、お隣さんからにしては、距離がリアルに近かったなーなんて思いながら、もしかして、と思って狭い狭いエアコンの室外機の下を覗くと、ナント!
いましたいました!
かなりデカくなったヒナが、ジロリとこっちを見てました。
あららーここにいたねー、なんて、近所のオバサンみたいな声で話しかけましたね。
反対側のお隣さんは、ずっと空き家だったので、多分巣はそこにあったのでしょうが、最近入居準備のリフォームが始まったので、ベランダづたいに、こちらに逃げてきたんでしょう。
避難民だし、またあんまり覗くとパニックを起こすので、ナベはソっと視線をはずして、お部屋に戻りました。
知ってました? ハトの子供って、いっちょまえに声変わりするんですよ。
ピィ~ピィ~と情けないのが、ある時突然、聞いたこともない変な声で” BI~BI~”と鳴き始めます。
まるで、中学生の男の子の、親にでもなった気分になります。
ハトの場合、女子もやっぱ “BI~BI~” いうのかは知りませんが。
一休(ヒナの名前)の場合、まだ鳴き声はピーピーですから、巣立ちはもうちょい先ですね。
きっと家賃も払わんと出て行くんでしょうが、元気に巣立ってくれよ、とベランダ越しに思った、ある冬のお休みの1日でした。