『いつかはクラウン』
昭和のサラリーマンは特に、所有する車のランクで、社会的出世をアピールする風潮がありました。
ざっとですが、ランク付け的には、
軽自動車は、おおむね奥さまのお買い物車。
カローラ、サニーは一般庶民の車。
コロナ、マークIIになると、ちょっと部長クラスってやつですか。
で、いつかはクラウン、は管理職以上、的な~🍀
もちろん、お金を出せば誰でもクラウンは買えましたし、実際、うちの斜め前の文房具屋のオヤジさんは、クラウンのバンに乗っていました。
でも、うちはと言うと当時、DAIHATSUのフェローマックス(軽自動車)。
お金なかったしね~🍀
なんで、オヤジさんの胸には、
『いつかはクラウン』
は無理でも、
『いつかは普通の乗用車』
と、いうのがあったように思います。
そして月日は流れ、ドラナベも上京し、オヤジさんも定年が近くなってきたある冬休み。
久し振りに帰省してみると、なんとうちにはピカピカの普通乗用車が。
そう、それは、TOYOTAのスプリンター。
オヤジ殿、
『いつかはスプリンター』
きっと、そう思っていたんでしょう。
ビックリして帰りつくなり、
『スゴいね-、カッコいいね-❗』
と、誉めちぎったら、オヤジさんは満更でもなさそうに、
『課長になったからには、それなりな車に乗らんとね。
『もう課長じゃから~🐽』
『課長になったから~🍀』
と、課長自慢なのか、新車自慢なのか、紐付けにくっ付けて、至極満足そうでした。
速いクルマでしたね。
今までの軽自動車の非力さと全然違う~❗
やはりクルマは、それがたとえクラウンでなくても、念願のクルマは、人生を幸せにしてくれる。
オヤジさんの、あのにこやかな表情を思い返す度に、そう思います。
そして親父殿も長い人生、定年を迎え、社会人を卒業。
いつしかそのスプリンターも廃車になって、老後は再びスズキアルト(軽自動車)が主力機となり、いつも気軽にお袋さんとドライブを楽しんでいたオヤジ殿でしたが、先年他界しました。
10年ちょっとだったでしょうか、オヤジ殿のサラリーマン人生の心の錦を飾ってくれ、そのフィナーレを豊かにしてくれた、TOYOTAスプリンター。
感謝のクルマです。
田舎の別荘にて⭐️(今、嘘つきました)