みなさんこんちは。
お元気ですか?楽しく過ごせていますか。
ようやく暑い夏が過ぎ去ってくれたようで、夜になると鈴虫がスズ、スズ、と。コオロギがコオロ、コオロと鳴いています。
風情がありますね。
そういう風情をじっくりと楽しむ心の余裕のないままに、月日の過ぎ去るのがふととても、もったいない、もったいなーい、と思ったある秋の夜。
それはふと昔の国語の教科書に載っていた、小説を思い出したからでした。
内容はよくは覚えていないので、ディテールは適当なんですが、ある少年(主人公・小学高学年~中学生くらいか)が、夏に海沿いのある田舎で過ごしていたところ、そこである姉弟と仲良くなりました。
お姉さんはちょっと年上、弟くんはまだまだ幼く、ほとんど毎日のように会ってはお話をし、夏のひとときを共に遊び、とても親密になったはいいのだが、お姉さんの方は先に家に帰らなくてはならず、ある日、少年にお別れを言い、住む街に戻っていきました。
そして、その少年の淡い恋は終わりとなった。
でも、その少年の元には、まだ学校の始まらない彼女の弟が残っていて、主人公の少年は、毎日その弟君と会っては、とりとめのないお話をして、残りの夏休みを過ごしました。
さて、ここで問題です!
なぜその主人公の少年は、彼女が去っていった後に、毎日のように彼女の弟君と、日がなお話をして過ごしたのでしょう。
そう、その国語の時間に、コナベは、まさにそう質問されたのです。
担任の先生、、書いてたら思い出した。
これ、小5の時の授業の話だわ。
名前忘れちゃったけど、女性の担任の先生で、クラス会で
『シクラメンの香り』
を歌って、女子はうっとり、男子はとても困った、あの先生だ(親しい先生が急にしっとり歌い始めたから、男子はびっくりしたのです)。
答えわかりましたか?
解った方は、ホント素晴らしい感性の方だと思います。
小5の僕は判りませんでした。多分、
『タイクツだったから、、、』
とでも、答えたような気がしますが、担任の先生はちょっと笑いながら、
担『姉弟じゃがね!』
小5ナベ『?』
担『ホラ、一緒じゃがね!』
小5ナベ『???』
担『顔が似ちょるでしょうが!』
小5ナベ(なあ~なあ~、るホド!!!!)
もうなんか、超感動しすぎて、とても切なくなりましたね!
好きだったお姉さんの面影を求めて、その弟君の顔を眺めながら、毎日想いを馳せる初恋少年。
でも彼女のいないその場所なのに、その弟君に会えるだけでも心から幸せだったんだろうなあ、と。
淡い想いだからこそ、いつまでも消えずに。陽炎のようにこころの網膜に焼き付いて離れない、淡い想いを描いたお話だったようです。
イントロの、もったいない、もったいなーい、はこういうこころの感性を忘れて、なんとなく生きている自分が、とても非常にもったいなーい!!!と改めて感じたんです。
いや、前進することはいいんです。
忘れたくないことをいつしか忘れて生きることが、勿体無いと思ったのです。
振り返って立ち止まってみること、を忘れたくないと思った、月が時折り翳る、晩夏の夜のお話でした。
でも、この小説、思い出してみて改めて、感動しました。
こんなことが書けるなんて、この作家は素晴らしい。
これが誰だか、どなたか知りませんか?
その小説、わたしも授業で見たことあるという方、ご一報を。