2008-05-15

懐かしいこだわり

 大人になった今は、リラックスしたい時はタバコやらコーヒーやらで、頭をフワーッと休めることができます。

高校生くらいの時は、音楽やら広々とした風景を見ることで気分をスカッとさせてました。

そして、音楽やら風景やらに接しながら、すぐに現実逃避の妄想に入ってました。

 

 高校生の頃は、好きな音楽を聞きながら、いつも自分勝手な素晴らしい未来を想像して、一人でトリップしていました。

で、その頃は九州の宮崎でしたから、いつかは東京に出るんだ、という輝かしい思いで、いつも北の空を見上げていました。

 

 なので、いつのまにか刷り込みの法則で、方角的に北方面の風景は、何故だかすべてキラキラと、明るい希望に満ちあふれたものに見えておりました。

逆に南方面は、東京に向かうのの逆ですから、なんだかなんの未来も無い、寂しい風景に思えて仕方がなかったでした。

 

 北=東京    ⇒ 希望。 

 南=宮崎    ⇒ 絶望。

 

こういう単純な図式が、頭の中に当時なんとなくあったように思います。

 

 高校時代の現実逃避のお楽しみは、休日のチャリンコドライブでした。

以前にもお話しましたが、ソニーのウォークマンを聴いて、北の空を見上げながら、自転車こいでるだけで、もうそれだけでアドレナリン最高潮!

勝手に想像した、輝かしい未来の世界に入っていました。

脳内麻薬出まくりです。

 

 変な話ですが、未来に向けたポジティブな精神と、現実逃避のネガティブな精神が、東京に行く、という方角的なもので、解決していたのではないかと。

ですから、物理的に北方面に進んでいる時は、心の平安度が高く、逆に少しでも北上がズレると、なんだかソワソワしてました。

 

 田舎は、国道10号線が県内を南北に貫いていましたから、いつもチャリドラは10号線の北上から始まります。

なので、しょっぱなは、北に向かって常にハイテンションです。

そうやってさわやかな気分でこぎ進むんですが、いつかは、来た道を南下しないと家に帰れません。

ので、どこかでUターンをするんですが、その南下の瞬間がとてもいやでした。

 

 もう、終わりかー、、、

 

 で、出来るだけ、その絶望的な南下をしたくないので、帰りは西に東に、いつもジグザグに道を折れ進みながら戻っていました。

なので、帰路は倍、時間がかかってました。

そうしていつも最後に、おそい帰宅をオヤジサンに怒鳴られて、楽しい休日が終了しておりました。

 

 それで、まあ念願叶って、現在は東京に住んでいる訳ですが、不思議なもので、今は北の空を見上げても、何の気持ちの高揚もありません。

逆になんだか寂しい気分になるんです。

今は北の空を見上げても、むこうにあるのはロシアですから、今度はロシアに行こう!て気にはどうしてもなれませんし、却って今は、南向きの風景にとても惹かれます。

 

 単に故郷が懐かしいというだけでなく、きっと希望を感じていた、懐かしい時代に心が惹かれているのでしょう。

夢は故郷にあり。

結局は、気持ちは青春時代に戻っていくものなんでしょうか。