散髪事情。
実はわたくしは、美容院とは女性の為の場所であって、男とはすべて散髪屋にいくものだ、と勝手に勘違いしてました。
マイ美容師のいる美容院に通うようになったのは、ここ4、5年でございます。
それまでは、散髪屋で切ってもらった時の、カットの仕方を見よう見まねで、自分で鏡の前でチョキチョキ切っていました。
ですから、どうしても見えない後ろの部分は、カンでしで、まあ自分では見えないもんだから、なんとかうまく切れてる気分になってたんですが。
今思うと、その十数年のヘアスタイルは、かなりアートしてたような気がしてます。
気付かないって恐いですね~。ていうか、そんな事をしてた過去の自分って、凄すぎるな、と思います。
で、一念発起いたしまして、ちゃんとプロに切ってもらうことにしたんですが、床屋だとおじさんヘアが主流なので、頑張って美容院に行くことにしました。
初めて今の店に入った時は、高島屋5階、婦人下着売り場に踏み込むような緊張感がありましたー。
もう圧倒的に、若いお姉さんばっかりで、違和感感じまくり。
で、担当になった美容師さんがとってもかわいらしい女の子で、
「どうもお待たせしました」
「あ、は、はい」
「今日はどうされますか?」
もうその時点で、何をどう説明すれがいいのか判らず
「とりあえず切ってください」
「こちらは初めてですか?」
「えっ、そうです」
「本日はカットのみでよろしいですか?」
「は、はい、もうおまかせします」
という具合に、完全に始めからお手上げ状態。
もう何を聞かれても、
「あ、おまかせで、、、」
といった感じでした。
まー、ソワソワと落ち着きませんでしたな。
で、美容師さんて、いろいろお話をしてくれるじゃないですか。
ですがわたくしは、知らない人との会話は苦手なので、もう全くといっていいほど会話が続かず、申し訳なかったですねえ。
そんなもんだから、正味25分くらいでしたが、もうかなりヘトヘト。
仕上がった髪型も(お任せにした自分が悪いのだが)当時ヤング(現代でいう”若者”です)の間で流行りの 【爆発ヘアー】
気絶しそうになりました。
今思うと、プロのカットなわけだから、きっと全然良かったんです。
が、何しろ一気にアカ抜けたもんですから、見慣れないものにもう落ち着かないやら何やら。
で、ふたたび自分で切るかどうか悩みました。
初めて文明というものに遭遇すると、そのレベルに気持ちが達するまで、時間がかかるもんですが、なんかそんな感じでした。
とまあ、上京後、初の美容院デビューは、その空気についていけず、とても落ち込みました、というお話でした。
そしてそれから、謎の天才美容師に出会うまでの物語が、はじまったわけです。
な~んてね、大げさだけど。