世田谷通り、多摩川沿いの土手には公園があり、帰り道によくふらっと立ち寄ります。
立ち寄るのは、たいがいバイクで出掛けた帰りです。
バリケードの前にバイクを停め、エンジンを切り、ヘルメットを脱ぐと、急な静寂が訪れ、夜の冷気と秋の匂いが顔に当たります。
横の瀟洒なお家にはネコがいて、たまに擦りガラスに立って、こちらを見ているシルエットが浮かんでいます。
手を振ると微動だにもせずこちらをジッと見ています。
さらに手を振ると、ますます微動だにもせずこちらをジッと見つづけます。
でも今日はいません。
そのまま歩いて土手に上がると、そこにはお気に入りの場所があり、その場所は土手の上の車両進入禁止のパイプの上です。
静かに星を眺めるには、最適の特等席です。
頭の上には宇宙があるんですね。
ある時、それらの星の輝きを眺めながらふと、SFの世界を想像してみました。
アマゾンのアルタイル支店に注文した商品が、今月ようやく宇宙船で届くな、、とか
ベテルギウズ空港は本日は硫酸の雨模様、、
みたいな想像をしたりして、遊んでいます。
子供じみた想像ですが、そうして実生活にちょっと繋げてみて、なんか星の輝きを親しいものに感じたり、あるいは、あんな遠くまでわざわざ工場の出稼ぎ、皆さん単身赴任ご苦労さん、みたいなあり得ない想像で、ひとり楽しんだりしています。
が、実際のところ、星が輝いている時点でそこは超高温だから工場建設には不向きですし、社宅等の建造も難しいように思えます。(我ながらアホくさい)
せいぜい周回する惑星に目を向けるしかないのではないかと。
もしかしたら、鉱石とかは取り放題かも知れませんがね〜。
でも、まずそこに人間が呼吸出来るコロニーを作り、工場プラントを作り、鉱石を掘り、錬成して素材を作り、作った商品が、地球に届くまで何億年かかるんだろう。
注文主は、既にこの世にいないよなあ。
なんて、疲れて現実逃避しているんですかね。
でもそうやって、いつも止まり木に座っては、今頃あっちはちょうどお昼どきかなあ、なんて考えています。
あの星の裏側に人がいる、なんて考えただけでも、ちょっと楽しくないですか?