さてさて、恐怖の箱根山の野宿一夜でしたが、それでも朝がくると、その日はすがすがしいほどの、冬晴れの日でした。
そう、思い出しました、この旅行を敢行したのって、12月の末でした。
一体わたしは、何を考えていたんでしょうか?
でも、前夜に頑張って頂上付近まで来てたので、その日は小1時間ほどの上り坂で、あとは下りのみのラックチ~ン漕ぎ。
快適に山を降りました。
そう、真冬だったのですが、不思議と、寒い思い出はないんですよ。
それだけ自転車漕ぐってのは、カロリー消費するんですね。
ちょっと近場にチャリで行くのならなんてことなくても、丸一日漕ぐとなると、ちょっとした登り坂とか、本当にもう飽き飽きします。
それだけ日本は、一般道ですら、アップダウンが多いことを知りました。
まあだからって、外国のことは知りませんが。
とにかくこの2日目の静岡の道行きは、ほとんど覚えてないんです。
回りを見る余裕がなかったんですね。
「また登り坂かい!もういいかげんにしろ~!」
と、ひたすら目の前に展開してくる、ちょっとした登り坂に対して、マジで悪態を、一人でつきまくってました。
とにかく、静岡は広い! 自由の風を満喫するどころじゃない!
その日は、静岡を脱出できませんでした。
そして、さて、また夜がやってきました。
この日は人々の住む平野を走ってたので、食料とかも無事確保でき、さあ寝るところです。
前夜の恐怖があったので、この日は近くのカーディーラーに飛び込んで、屋根の下を貸してもらえないか交渉したところ、なんと2軒目の中古車屋さんで、OKをいただきました。
自転車で東京から九州まで旅してます、という話に、やたら感動して、盛り上がって、フィーバーしていただきました。
オジさん達が4.5人いたのですが、もう囲まれちゃって、一瞬ヒーローでした。
そして、なんとその日は、そのお店の皆さんのご好意で、お店の中古車のなかで、グッスリ眠ることができました。
いやあ、いつの世でも “若さ” って、人々に感動を与えるものなんですね! なんてねーー。
あの中古車屋さんの皆さん、その節は大変、大変ありがとうございました!!
でも、だからその時のなごりで、今でも車の中で練習したり、寝たりするのが好きなんでしょうか?
基本的に、ルンペン向きの人生なんでしょうかね。