2004-11-15

米原 → 大阪

 だんだんと大阪に近づいてきました。

米原駅でたっぷりと寝たので、この日はかなりパワフルな勢いで、一路大坂を目指します。

 

 路面はこの5日間の中で、もっとも最悪なコンディションで、昨日の降雪でびちゃびちゃです。

でもよく頑張ってくれたよなあ、チャリンコ君。

この自転車のグレードは、なんの変哲もない、ただの6段変速の通学用の自転車なので、本来は自宅から半径20Km以上の範囲は、テリトリー外なんです。

苦労をかけるよなー。

 

 でもとりあえず、宮崎までようやく1/3の距離を、走破しました。

夕方にようやく、大坂の枚方に着くと、その日は、高校時代の友人が入っている学生寮に泊めてもらおうと、勝手に決めてました。

 

 が、な、なんと友人はさっさと里帰りして、もぬけの殻。

でも若い時代の友達とは、実にいいものです。

その学生寮には、一人だけまだ田舎に帰らず、くすぶっていたヤツがいて、そいつがフラ?と、廊下に出てきました。

 

 「おう、渡辺やないか。どないしたん?」

「いやあ、かくかくしかじか~」

「ああ、ほんまか。ならウチ泊まっていくか?」

いやあ、拾う神アリですね。

 

 すっかり落胆していたので、思わずそいつの胸に飛び込んで、泣いてしまいそうでしたよ。

でもそれをしたら、泊めてくれなかったでしょうな。

 

 結局、そいつの男気のおかげで、すっかり里心がつき、一泊のつもりが、ずうずうしくも3日も泊まっちまいました。

しかも金がないので、晩飯の出前一丁も、そいつの貴重なストックからわけてもらい、しかもそのまま食おうとしたら、

「ちょっと、待ちいや。野菜入れへんかったらウマないで~。」

と、そいつが自ら野菜を炒めてくれ、実にリッチな食事に、ありつくことができました。

 

 たった3日と、ただのインスタントラーメンでしたが、彼は、わたしの一生の中で、忘れることのできない人です。

 

 若い頃のこういうのって、なんかデカイんだよなあ。

拓、元気にしてるかなー?