先日、毎朝ピーピー賑やかにベランダを行き来していた、居候の親子も無事に巣立ちを完了し、またまた平和な日々が戻ってきました。
そういえば、長期入院中だったバイクも、ようやく退院してまいりました。
今回の修理は、もう胃が痛くなりそうでした。
何故なら、古いバイクなので、部品の欠品に直面。
で、なにもせず放置、という状態で3週間ほったらかしでした。
ディーラーなのに。
どうするつもりだったんだろう?
欠品パーツは、加速ポンプという部品で、金属の棒の先にゴムの円盤のついたパーツです。
ホームセンターで棒とゴムシートを買ってきたら、作れそうな代物なんですよね。
でもよく考えたら、純正品のパーツというのは、
ガソリンに充分な耐久性があり、
かつ伸縮性を、数十年持続させ、
エンジンの高温や真冬の極寒にも耐え、
寸分違わない寸法で、接合部からガソリンが漏れないよう、
かつ雨水が侵入しないよう、シールゴムの役割、
もする訳です。
すごいですね。さりげなく。
手のひらに収まる小さなパーツですが、そこには計算され尽くした、スゴい人知の結晶が詰まっているわけで、プロの修理エンジニアが、途方に暮れるのも、仕方ない面はあります。
ましてや、素人がホームセンターで、針金買ってきて作るとかいうのは、もう論外。
まさに恐るべし、純正品の欠品です。
ところが、捨てる神あれば拾う神あり、とはよく言ったもので、ワラ掴みでネットサーフィンしてたら、ありました!
こういう旧車部品を、純正品のクオリティで作っていて、しかも今回の加速ポンプの類いを、新品でストックしてあるとこが。
それは、大阪の下町にある小さな町工場でした。
もうすがる気持ちで電話したら、いかにも関西の職人の、愛想のないおやっさんが出ました。
おやっさんが一言
「シャフト何ミリ?」
と聞いてきたので
「45ミリです。」
と答えたら
「あぁ、なら品が確定できますから在庫ありますし、今から送りますから、明日には着きますよ。」
と、サラッと言ってくれました。
うー、もう超カッコ良かった、大阪の職人!!
メーカーも修理工場も見放した修理品を、いともカンタンにさらりと、
「あぁ、ならウチにありますからお分けしますよ」
と言ってくれる頼もしさ!
しかも仕事が早い!
このバイクを買う時、バイク屋さんに、
「加速ポンプだけは、やられたらホントもう、どうしょうもないです。」
と宣言されてたので、なんとか大阪の町工場の阪神満塁ホームランで、ギリギリ事なきを得ました。
翌日、到着した部品を持ってホンダに行き、早速パーツをはめ込んでみると、なんと超ピッタリ!!
ホンダの工場長も、
『そんなとこがあるんですね。』
と、ビックリしてました。
いやいや大阪の職人さん、どんだけこだわるねん、て感じです。
おかげで、ようやくバイクらしくなったCB650LCが、無事、私の元に戻ってきました。
職人さんは、愛想ないけど、やる仕事は本当にすごいですね。
きっちりというか、バッチリというか、もうパーフェクト。
今回は、町工場の凄さの一端にふれた、修理騒ぎでした。