2015-11-15

紙一重

 紙一重の差は大きい。

今回はそんなお話。

 

 11月に入って何かと忙しくなってきたこの頃。

とある雨の日、キャロル号で帰路についていた時です。

 

 雨だったのと、最近夜目が効かなくなってきたので、用心しながら2車線道路をゆっくり走っていたのですが、真横を走っていたダンプが何となくじわーっと寄ってきたので、すこしスピードを早めました。

すると、ダンプもにわかに加速を始めたではありませんか。

 

 そんな直後です。

暗がりに自転車をこぐ高校生を目視したのは。それはもう3者が交錯する3秒前でした。

あっっあぶない!!まさに衝突コース、フルブレーキです。

ですが、雨の路面はタイヤがグリップする力がほとんどないと言っていいでしょう。

信じられないほどアッサリ、後輪がダンプ側に擦り寄っていきました。

 

 目の前には高校生、横にはダンプ、こっちは横滑り中。

だめだ!もう当たる、いや当たっているはず、そう諦めながらも、とっさにブレーキを緩め逆ハンドルをわずかに当てたら、なんの衝撃もなくキャロル号は車線中央に復帰。

そして減速しました。

 

 何も知らず、相変わらず必死で自転車を漕いでいる高校生、遠ざかるダンプを半ば呆然と見送りながら、魔の時は静かに過ぎ去りました。

高校生には前後5メートルほどの距離がありましたが、ダンプとの横空間は3cm、もしかしたら5mmだったのかもしれません。

それくらいありえない隙間しか、私とダンプの間にはありませんでした。

 

 でも5mmだろうが1mmだろうが、隙間があったから当たらなかった。

セーフはセーフ。

そのわずかな隙間があったので、わたしは現世へと戻れました。

これがほんのわずかでも接触した瞬間、次に何が起こったかは、もう明らかです。

 

 紙一重の、薄皮一枚の差。

もしかしたら、それはタマネギの薄皮ほどの隙間だったかもしれません。

それでもそれが普通の日常と、取り返しのつかないどん底との明暗を分ける、分かれ道だったのです。

瞬間的に頭を下げました。

その日は家族の命日だったので、ご先祖様が守ってくれたとしか思えませんでした。

 

 そしてそれは、今こうやって何事もなく、平和に日記を書けていることへの感謝につながります。

マジな話。 

あの先もしかしたら遭遇していたかもしれない、自分のみならず高校生をも巻き込んだかも知れない、取り返しのつかない事故に比べたら、多少の予定の狂いや疲れなど、幸せそのものだ、ということを改めて分からせてくれた出来事でした。

そして、どんな時も用心を怠ってはならない。

 

 いやー、久しぶりに肝を冷やしたお話でした。

が、絶対に忘れてはいけない備忘録として書きました。

皆さんには起こり得ないとは思いますが、判断を誤る、魔がさすことは日常に潜んでいることは確かです。

これぐれもご用心。 ←(これぐれ??ああ、魔が差した。。。)