わたしの今年の夏の自由研究は『セミ救助大作戦』。
まあ毎年のことなんですが、現代の夜は、一晩中街灯があちこち点いているので、セミがずっと騒いでおります。
で、朝になると力尽きたのか、ただ疲れて寝ているのかよくわからないセミ君が、廊下にしょっちゅう転がっております。
ヘタすると踏まれるので、指を近付けるとしがみつきますので、近くのおいしそうな木に、連れてって止まらせてやります。
中には、しがみついてる指を、木と勘違いして吸おうと口吻(こうふん)を立てる奴もおりますので、気をつけます。
そんな時は軽く抑えて木まで運びます。
何の木かわかりませんが、タテにゴワゴワにひび割れている木が、セミの世界では人気の様子です。
よく皆さんとまって集会をしております。
まあそうやって、無事成虫になれた子はラッキーでして、今年は脱皮に失敗した奴と、脱皮はできたものの乾燥がうまくいかず、具合が悪そうな子を保護しました。
でも出来ることは、アリさんから守ることぐらいで、結局は残念な結果だったんですが、思ったのは、すごく繊細な生き物なんだなあ、ということです。
野生の生き物なんで、結構タフなんかなと思っていたのですが、ほんのちょっとしたトラブルで、たとえば、アリにちょこっと噛まれたというようなささいな事で、もうアウトになってしまうみたいです。
ですから、人の手でよかれと思って、しようとしたことが逆に致命的になるようなので、何か救助の手を差し伸べる時は、かなり慎重に扱うよう、心掛けることにしました。
セミレスキューの心得とでもいいましょうか。
でも思うのは、私が子供の頃は、今みたいに簡単に、セミを見つけることは、困難だったということです。
九州の田舎ではクマゼミが主流で、こちらみたいにアブラゼミは少数派だったのですが、それでもクマよりアブラは逃げ足は早かったなあ。
こっちのアブラゼミときたら、なんんかぼんやりしているのか、電柱の1メートルのあたりでビービー鳴いてたり、夜中に網戸のとこに遊びにきて、ついでに盛大にビービー始めたり(寝られへん)なんだか無邪気です。
子供がセミとりをしないから、このあたりのセミ達は、遺伝で警戒心がなくなってしまったのかなあ、なんて思ったりもします。
今年も夕方に、地中から登場したセミの殻の中身入りが、よく歩いているのと遭遇しました。
元気よくデンドンデンドンと歩いていたので、そっとつまんで、手っ取り早く木にしがみつかせてやりましたが、過保護でしたかね?
まあでも、ひと夏楽しく元気に過ごしてほしいなあ、と思いました。