忙しくなると、脳がフリーズし始めます。
そんな中での私の現実逃避は、廃村探訪記を眺めては脳内旅行を試みることです。
で、色んな記事がネットには上がっており、同好の志がとても多いことに驚きますが、中でも私の好きな(ソソル!)のは、一時的に探検記的に盛り上がった記事ではなく、淡々と職人的に廃村探訪を開覧している飾り気のない、そういう記事です。
・現地では常軌を逸した行動はくれぐれも謹んでください。
関係者に迷惑がかかるのはもちろん、あなたの今後を不利にする恐れがあります。
・無人集落跡の探訪は時に危険が伴います。
それらを訪れ負傷、罹患、死亡、物的な損失その他の被害が生じる恐れがあります。
・無人集落はかつての住民の思いが眠る場所です。
あくまでも謙虚な気持ちを忘れないでください。
このような書き出しで始まる、とあるサイト。
私は仕事等に疲れた時、今この瞬間も日本の山中のどこかで野宿しながら、探訪しているかもしれない彼の記事を読んで、今の縛られた生活から、一時的に心を解放することにしています。
歴史、時空の旅も内包する超現実的なこの世界は、もう読むだけでクラクラします。わたしはね。
まず彼のサイトの冒頭に、かつての人の暮らしの場所を訪れる際の様々な注意。心構え。
もうその文言が、実にシリアス。
集落探訪に潜む危険
・建物の崩壊、、人の出入りがなくなると建物は意外なほど急速に朽ちていきます。
・転落、、、、、老朽化した建物の床の踏み抜き、古井戸など。場所によっては戻れなくなります。私は気づかず便槽に落ちたことがあります。(浅く、また中身はありませんでしたが)
・道に迷う、、、無人になって久しい集落では道が不明瞭であったり、また生活道、獣道は区別がつきづらいことがあります。私は紙テープを持参し、所々に目印をつけておきます。ビニールテープは長く残り、山林所有者、林業従事者等を惑わせるので使わない方がいいかも。
・動物に遭遇、、クマ、イノシシ、毒虫、毒蛇など。私は熊よけ鈴や毒の吸引器を持ち歩くようにしています。
・その他、、、、猟師の誤射、土砂崩れ、古い建物のアスベスト、霊(?)など。
旅のお供
・軽トラ、、、仕事で購入しましたが安くで良いものが見つかりました(8万円)。2013年に廃車になりましたが、満身創痍ながら北は稚内から南は種子島までよく頑張ってくれました。
・軽バン、、、2013年からの新しい相棒。前回より幾分値が張りましたが(22万円)、車中泊はすこぶる快適です。
・金剛杖、、、杖としてはもちろん、草やクモの巣を払ったり、渡渉時に体を支えたり、動物を威嚇したり(まだそのような状況にはなったことはありませんが)出番は意外に多いです。棒ならなんでもいいのかもしれませんが、杖に書かれた「同行二人」に一応の意味があります。
・携帯ラジオ、、野宿では夜寝るまで何もすることがありません。天気予報を聞いたり時間をつぶしたり。
こういった彼のインフォメには、人里から隔絶された『廃』の世界を知り尽くした人間だけが語り得る、本物の説得力があり、まさに『同行二人』的な心強さを感じます。
芭蕉的な放浪の魅力とは、まさにこういうことなのでしょう。
そうしてその後に、本編の廃村探訪記が、全国津々浦々とアップされています。
内容はどれも似たようなものではありますが、廃村に至る背景、流れが簡潔に紹介してあり、その廃の風景には、時空を超えた思いが宿っているような気がします。
写真を載せられないのが残念ですが、彼の文章を読んでみて、みなさんはなにか感じましたか?
忙しくなると、脳がフリーズし始めます。
そういう時は、思いっきり休む、のも良いですが、爽やかな何か、を心に入れてあげるのも、潤いがゆき渡る気がします。
僕はこれ。
現代風『奥の細道』
変ですか?