2021-09-15

秋の通帳記入

 ここしばらく気温がぐっと下がったせいか、急に秋の香りのキンモクセイが、匂ってくるようになりました。

皆さんお疲れさまです。いかがお過ごしでしょうか。
フローラル渡辺です。

 

 今日はささやかな休日。
私のこよなく愛する100均にて、休日のショッピングを楽しんだ帰りのことです。
100均ですっかり散財してしまったので、お金を補充すべくATMに寄りました。

 

 すると先客におじいちゃん。
どうもゴタついています。
見ると、記帳がしたいようですが、挿入口に通帳の表裏を逆に、入れよう入れようとしています。

 

 見かねたので
「それー、表裏が逆だよ。」
と、後ろから声をかけたら
「ああ」
とぞんざいに反応して、記帳し始めました。

 

 ですがよく見ると、このおじいちゃん、記帳済み通帳を、何度も何度も機械に入れようとしてるんですな。

ですが、機械的には記帳はもう全部終わったから、シャッと通帳を戻すんですが、中を見て何かがどうも気に入らないらしい。

取引選択ボタンも押さずに、通帳を無理やり機械に差し込もうとするんです。 

 

 もちろん、そのままじゃあ機械は受け付けないから、
「ご希望のお取引をお押しください」
とガイダンスが流れるんですが、そこでようやくはっと気づいて、通帳記入を押す。

 

 だが、虚しく機械にシャッと戻される。

中を見て、やっぱり何かが気に入らず、文句をつぶやき、またもそのまま突っ込もうとする。

 

 で、ガイダンスに諭され、はっと気づいてボタンを押す。
シャッと戻され、やっぱりなんか気に入らず。

またぶつぶつ言いながら、再び突っ込もうとする。。。

 

 

 

 もう可笑しくて可笑しくて。

 
 もう全部書きましたよ。ないですよ。
て、機械が言ってんのに。

なぜ、無理やり突っ込もうとする?

 

 返されても返されても、一向にめげないその不屈の精神。明治生まれと見た。

通帳記入に、一体何を求めているのだろうか?

 

 そして私の後ろに、10人ほどの行列が育った頃、ようやく、
「これ、どうしてですか?」
と、おじいちゃんは振り返りました。

 

 聞くと、どうやら日付が気に入らなかったらしく、今日が9月14日なのに最終印字は13日。

今日の分がないじゃないか、けしからん、どういうことだ!という事でした。

 

 一連のおじいちゃんループの謎が解けたので、
「ああ、それはね、最終取引の日付だから、今日の入出金がないと、、、」
と教えてあげようとした矢先、横からいきなり背の高いお兄さんが、割って入ってきました!

 

 「麻生警察ですが、どうかされましたか?」

なんと彼は、高齢者を狙った振り込め詐欺を警戒中の、私服警察官でした。

 

 おおー、スゴい〜。

秋の休日、おじいちゃんの謎パフォーマンスから、いきなり振り込め詐欺の水際作戦の現場となりました。

いやあ、実にありがたい。でもどっから出てきた?

まるで忍者警察。

 

 まあ今回は、おじいちゃんのソロコントでしたから、一件落着でしたが。
でもああして、詐欺被害にあいそうな高齢者を、油断なく見守ってくれる警察官の方は、とても頼もしいです。

 

 秋のキンモクセイ香る休日の、地域密着型の爽やか面白事件でした。