2012-05-15

青い作業員

 昔、 ” トワイライトゾーン ” というショートストーリー仕立ての映画がありました。

その中での、時間の番人のお話。

 

 ある朝、男が起きてみると、家の中を、青い服を来た作業員達が、家具という家具を、家から運び出しているじゃありませんか。

ビックリした男は、猛烈に抗議するんですが、青いのっぺらぼうの作業員達は、忙しい、邪魔するな!とばかりに男を押しのけて、無言で作業を続けます。

 

 そうこうするうちに、人間の責任者らしき男が登場するんですが、何とその男曰く、

我らは実は時間の番人で、

お前達人間の過ごす時間を、コマ送りみたいに1/10000秒単位で、無から作り上げ、繋げているんだ、

という話です。

 

 なので、例の青い作業員達が、1/10000秒づつ突貫工事で道を鋪装し、木々を植え、建物を建築し、1/10000秒前と寸分変わらない、街の風景を作り上げ、人間がその1/10000秒を通り過ぎたら、すぐさま撤収。

次のまだ真っ白な空間に、全く同じ風景を最初から作り上げるそうで、そのために人間に気付かれない、特別な時間の流れの中で、無数の青い作業員達が、作業しているそうです。

 

 でも彼らも、たまにしくじって、モノを置き忘れたり、置く位置を間違えて、セッティングしたりするそうで。

 

 実はこれがよくある、

さっきここに置いたはずなのに!

無い!

という現象になるそうです。

 

 でも彼らはそうした時も、上手く立ち回って、人間の記憶を都合良く修正。

次の時間で、そのモノを、さりげなく別の場所に戻し、

ああ、そうだった!ここに置いたんだ!

みたいに思わせるみたいです。

 

 

 こないだ、それをやられました。

置いたはずの工具が無い!絶対絶対、バイクの横に置いたハズ!

でもいくら探しても無いんです。

 

 もうすぐに分かりましたね。

これは彼らの失敗です。

そのとき多分彼らは大慌てで、次のタイミングで別の場所に、それをセッティングしようとしてたと思います。

そして同時に、私の記憶を必死に改ざんしようとしてたと思います。

 

 でも私には、それが判ってましたから、

『あーあ、君たち、失敗しよったなあ、僕はここに絶対置いたよ!

さあどうする!失敗だね!始末書!』

と、ぶつぶつ独り言を言いながら家に帰ったら、家の工具箱の中に、それはありました。

 

 さてここで、問題です。

これはやはり、青い作業員達の、作業ミスでしょうか? 

それとも、私の勘違いでしょうか?

私は絶対に、青い作業員たちの、失敗だと思います。

 

 信じてもらえますか?