静岡のオジサマたちとの、心暖まる交流もあり、でも相変わらずこの旅行を支えるのは、自分の脚と相棒の自転車のみという、過酷な自転車ツアー、第3日目です。
以前私は、ウォークマンを聴きながら、自転車で徘徊するお話をしましたが、今回は第1日目の早い段階で、荷台の荷崩れが発生。
しかも気付くのが遅れたため、慌てて戻った時には、産業道路を爆走するトラック達に、踏みつぶされまくっておりました。
ので、今回のこの旅は音楽ナシ!
ひたすら漕ぐ!
昼間は、距離を稼ぐのと、坂道をクリアーする事で必死です。
なので、ほんと車の排気ガスと、騒音の思い出しかないんです。
むしろ日が暮れてから、交通量が減ってからの方が、元気だったような気がします。
で、この日の野宿先ですが、な、な、なんと廃墟を選びました。
もうなんだか、疲れとお尻が割れて痛いのとで、普通の感覚がマヒして、もうオバケなんか、全く怖くなくなってたようです。
むしろ、寝ているところを、人に見つかる事の方が、怖く感じましたね。
変な人だと何をされるか、わかんないですからね。
ということで、だんだんとルンペンの心得も、板についてきました。
幹線を外れ、農道みたいな侘びしい道を漕いでいき、さらに小道に入った先の脇に、壁が崩れて屋根が半分吹っ飛んだ一軒家、まさに超廃虚がありました。
しかも周囲に人家はナシ、怨霊とナベにとっては一等地みたいな環境です。
その日は晴天。
星が出ていたのですが、箱根でひどい目に遭いましたから、私は相棒のチャリと共に、まだ屋根が健在の部屋へ入りこみました。
さすがに、なんか出そうでした。
出て当たり前、出るのがお約束みたいなほど、ドワンと、どことなく重たい空気でした。
だからといって、強がって
「すいません、一晩だけお宿を貸してください。」
なんて、闇の中に向かって言ったりしたら、忘れた頃に
『いいですよ~』
なんて誰かの声が答えたりしたら、寝るより先に気絶するので、だからすぐに寝ました。
ただこれは意味不明なのですが、寝入りばなにチリリ、と鈴っぽい音が頭の上、壁の向こうで聞こえました。
ただその一回だけであとは静かでした。
今回の話はなんか別の趣があります。
もしあっち方面の事に詳しい方、夜中に鈴の音が鳴るという現象に、なんらかの意味があるのでしょうか。
もし御存じでしたら教えてください。20年前の話ですが。
鈴の音。。。
何かのメッセージなのかな?