2004-10-15

静岡 → 浜松

 静岡のオジサマたちとの、心暖まる交流もあり、でも相変わらずこの旅行を支えるのは、自分の脚と相棒の自転車のみという、過酷な自転車ツアー、第3日目です。

 

 以前私は、ウォークマンを聴きながら、自転車で徘徊するお話をしましたが、今回は第1日目の早い段階で、荷台の荷崩れが発生。

しかも気付くのが遅れたため、慌てて戻った時には、産業道路を爆走するトラック達に、踏みつぶされまくっておりました。

 

 ので、今回のこの旅は音楽ナシ!

ひたすら漕ぐ!

 

 昼間は、距離を稼ぐのと、坂道をクリアーする事で必死です。

なので、ほんと車の排気ガスと、騒音の思い出しかないんです。

むしろ日が暮れてから、交通量が減ってからの方が、元気だったような気がします。

で、この日の野宿先ですが、な、な、なんと廃墟を選びました。

 

 もうなんだか、疲れとお尻が割れて痛いのとで、普通の感覚がマヒして、もうオバケなんか、全く怖くなくなってたようです。

むしろ、寝ているところを、人に見つかる事の方が、怖く感じましたね。

変な人だと何をされるか、わかんないですからね。

ということで、だんだんとルンペンの心得も、板についてきました。

 

 幹線を外れ、農道みたいな侘びしい道を漕いでいき、さらに小道に入った先の脇に、壁が崩れて屋根が半分吹っ飛んだ一軒家、まさに超廃虚がありました。

しかも周囲に人家はナシ、怨霊とナベにとっては一等地みたいな環境です。

 

 その日は晴天。

星が出ていたのですが、箱根でひどい目に遭いましたから、私は相棒のチャリと共に、まだ屋根が健在の部屋へ入りこみました。

 

 さすがに、なんか出そうでした。

出て当たり前、出るのがお約束みたいなほど、ドワンと、どことなく重たい空気でした。

 

 だからといって、強がって

「すいません、一晩だけお宿を貸してください。」

なんて、闇の中に向かって言ったりしたら、忘れた頃に

『いいですよ~』

なんて誰かの声が答えたりしたら、寝るより先に気絶するので、だからすぐに寝ました。

 

 ただこれは意味不明なのですが、寝入りばなにチリリ、と鈴っぽい音が頭の上、壁の向こうで聞こえました。

ただその一回だけであとは静かでした。

 

 今回の話はなんか別の趣があります。

もしあっち方面の事に詳しい方、夜中に鈴の音が鳴るという現象に、なんらかの意味があるのでしょうか。

もし御存じでしたら教えてください。20年前の話ですが。

 

 鈴の音。。。

何かのメッセージなのかな?