2011-07-15

非情

 以前、オークションというものをやったことがない時、オークション=お金がなくなるもの、という恐怖な響きでした。

放っておいたらどんどん上がる、タクシーの料金メーターみたいなもんです。

 

 でも、最近勤しんでいる” バイク復活 ” 。

これ、どうしても欠品部品が多すぎて、ついオークションを探してしまうのです。

 

 で、出てきた部品。

もうこの部品、次はいつ出てくるかわかんない!と思うと、なけなしの一万円札が千円札のようにどんどんとなくなってゆきます。

細々とした月々の経済力などお構いなし。

理性など、どっかへ飛んじゃいます。

 

 なので今は、よほどの事がない限り、我慢するようにしています。

でも北米輸入のバイクなので、日本には部品の供給ルートがなく、仕方なく複数回ワールドオークションに参加しました。

 

 で、日本と外国のオークション。

やりかたが、明らかに違う事がわかりました。

 

 日本の場合、締め切り直前でも最高値を更新すると、そこから10分延長、また高値更新でさらに延長、といつまでもダラダラきりがないです。

なので、ほっておくと中古のパーツ一個が、数万円にも跳ね上がる事にもなります。

 

 海外の場合は、この自動延長システムがないところが多いようです。

なので、時間がくればそこで終わりー、お疲れさまーとなるわけです。

なので、入札する人の性格が出るみたいです。

 

 生真面目で誠実、めんどくさい事の嫌いないわば、竹を割ったような性格の人は、一番先に入札してきます。

『ワタシはこの品をこのプライスでのみ、入札イタシマース』

と言ったイギリス紳士みたいな雰囲気です。

しかも入札額もそう高くなく、他により高い買い手がつくと、

『ワタシ争いを好みませーん』

と、さっさと身を引くようです。

 

 負けず嫌いなタイプの人は、誰かとちょっとでも競争になると、

『おっ、やる気だな!』

と、速攻反応してます。

いつの間にかとんでもない値段に発展していますから、びっくりして入札履歴を見てみると、たいがいアイツとコイツが血みどろの死闘を演じてます。

 

 私はお金はなくとも、バイクにかける情熱だけは負けませんから、背後からかっさらう方式を使って、どうしても欲しい商品はゲットする事にしました。

ひったくり戦法とでも言いましょうか。

 

 入札が始まって、激しい闘いが終わり、すっかり値段の落ち着いたオークションは、その値段のまま4、5日が過ぎ、最終日を迎えます。

そして終了40秒前になって、私がスッと入札します。

あと少しで落札!とニコニコ顔だった落札予定者は、終了40秒前で、いきなり知らない不届き者(私)が高値更新してきて、エッ!と慌てます。

What!?かも。

 

 で、慌てて、入札しようとしますが、入札するのにもいろいろパソコンに打ち込まないといけないので、もう時間が足りずに入札はお流れ、そのまま競売終了、私のあまりにも姑息な逃げ切り、となります。

” 逃げ足のナベ “、健在です。

 

 いつも思います。

あと僅か30秒てとこで、いきなり知らない奴がポンと出てきて、いまごろボーゼンとしているだろうなあー。

そうだよね、君も欲しかったんだよね、この部品。

ごめんよー、でもねー、あげなーい。