皆さんお疲れさまです。
マスクの転売とかに手を染めていませんか?どうもこんにちは、バカンシー渡辺です。
大騒ぎな最近ですが、私もその余波でお仕事が一斉に休業となり、コロナと共に思わぬ春休みがやってきました。
いやー、思い返せばこの春休みというのは学生時代以来ですな。
数百年ぶりなので当初、さあ如何に有意義に過ごすか、久しぶりな展開にキンチョーしておりました。
ので、体を慣らすために仕方なく、一切の仕事をせずに、クルマいじりに朝から晩まで日々いそしんでいます。
明日は何しよッかなー。
先日の深夜、私の愛するかつや(一杯カツ丼屋)でカツドンを賞味していると、ショーちゃん帽のおじいさんがカウンターにやってきました。
「お姉さん、ちょっと!」
「はい、お待たせしました」
「このとんかつ定食のダブルって・・・」
どうやら細かい注文を、あれこれとしているようです。
ただ、声が結構デカいので、最初はクレームでもつけてるのか、と一瞬、店内が緊張したほどです。
その後も、何かしら矢鱈とお姉さんを呼びつけて、あれこれ言っていたようですが、いかんせんべらんめぃ調、パッと聞きには、やっぱりなんか文句言ってるような気がするんです。
でもお姉さん、全く動じず
「はい、判りました」
「はい、大丈夫です」
と受け答え。
よく会話を聞いてみると
「あのさ、このご飯さ、ちょっと少なめにしてくれる?悪いね〜」
と、ぞんざいな物言いとは逆に、優しい一言を言っているんですな。
言い方はキツいんですが。
思い返せば、自分が子供の頃は外食は定食屋。
入ったら、横で大人が店員さんに、あれこれ賑やかに話しかけてた気がします。
今は店にテレビもラジオもないし、食事を提供してくれるだけ、が普通です。
が、昔はもっと気軽に、店員のお姉さんや店のオヤジさんとかにあれこれ話しかけてた、こんなちょっと呑み屋的な空気が当たり前だったよなぁ。
先に食べ終えたので、会計を済ませ(今日も100円引きさ!)、コスモ号でくつろいでいると、件のおじいさんが店を出てきて、目の前に止めていたタクシーに乗り込みました。
へえ〜、タクシーの運ちゃんだったんだ、普段着にショーちゃん帽だからわかんなかったよ、運転歴から個人タクシーだね。
と、思っていたら普通のタクシー会社のタクシー。
あれー、制服とか着ないんだ、普通は着てるよね、とか思っていたら、なんとタクシーの車内(禁煙車ステッカーあり)で、タバコを取り出し、旨そうに一服を始めました。
あららら、、、
制帽は被らない、タバコは吸い放題、いやー悪いね〜、といったような感じ?
あー、この自由な空気、どこまで昭和なんだろう。
うんうん、メシのあとのタバコが一番旨いんだよね。
そしてタバコの煙を、窓から薄くくゆらせながら、タクシーの赤いテールランプは、ゆっくりと裏路地に消えてゆきました。
深夜タクシー、
身体的にもキツいだろうに、老いてもなお矍鑠(かくしゃく)。
周り(とりあえずお姉さんとのやりとりでだが)に優しく、迷惑をかけず、でも自力でマイペース、ゆっくり歩き続ける人生。
何だか自由に生きることの、人生の旨み、というものを感じさせられた、春の夜の風景でした。