現代の人の歩きかたは、手足が交互に動きます。
でも昔の日本人の歩き方は、手足片側づつが同時に前に出る、いわゆる “なんば歩き”という歩行法だったらしいです。
つい先頃、その歩き方のやりかた(妙ないいかた)というものを、私は実地に体験することができました。
師匠は剣道の有段者の方で、その方がおっしゃるには、
『現代人の歩き方は、手足を振り子のように使って、バランスを取る歩き方であるが、なんば歩きというのは、頭と肩を動かさずに、肘から下を足の動きに一呼吸おくれる感じで、添わせるように動かすと自然に歩ける。』
との事でした。
実際に師匠の指導の下、やってみると、なんと超自然に歩けるんですよ、これがまたどこまでも。
しかもなんとなく、こっちの方が歩く速度が、早く感じましたね。
師匠がいうには、幼稚園とかで今でもよく、手と足を同時に出す子がいるらしいんですが、それはやっぱり矯正されるみたいです。
でも昔の飛脚の人とか、東京-大阪間を3日で走破したらしいじゃないですか。
今ではとても不可能と思えますが、当時の日本人にとっては、それが当たり前でそれの秘密は、その歩行法にあると私は思います。
ですから、今もたまに何かの時に役にたつかな、と思って師匠に教わったなんば歩きを、ひそかに練習しています。
人のいない場所で。
ものすごくヘンですから、この歩き方。
昔の日常においては、町働きする人以外の一般人は、走る機会はそうなかったらしい。
ので、そう言う人は走るのがヘタで、バンザイで逃げてます。