2025-03-01

うたたね

 中学生らしき子供たちが4、5人。

おじいさんみたいな大人と一緒に、公園広場で何かの練習をしています。

 

 と言っても、ガチガチの部活みたいな様子ではなく、かなりゆる~い感じ、まるで遊んでいるかのような練習風景です。

最初は三段跳び。

トレーナー姿で、目印の器具を目安に、楽しそうに飛んだり跳ねたりしています。

その他、二人ほどが遠くにいて参加してない様子で、顧問の先生(おじいちゃん)が

「ともか~、お前もやってみんか~」と、声をかけてましたが、その子は足が調子悪い、みたいなゼスチュアでやらない意思表示。

それを叱りもせず、そっか、みたいにスルーするおじいちゃん。

 

 競技は、走り高跳びに移り、いつの間にか来ていた女性顧問とおじいちゃんが、ゴム紐を引っ張って、棒に書かれた高さに徐々にあげつつ、子供たちがそれを順に飛び越えていきます。

昔みたいに、もっと気合いを入れろ!集中しろみたいな体育会系ではなく、なんか、ゆるゆるに楽しそうに飛んでます。

 

 概ね50分くらい。

いつの間にか、部活は終わったようです。

でもみんなどう見ても、家族で運動しに来た一家にしか見えないんですよね。
で、おじいちゃんが車に器具を積んで、おじいちゃんシレッと帰宅。

子供たちも特に「ありがとうございました!」みたいに真面目な挨拶をするでもなく、シレッと解散。

いつの間にか女性教諭も、ご自慢の軽4輪ジープで退場。

広場には、女の子二人が残り、今度はやり投げの練習をしています。

 

 おいおい、かなり薄暗くなってきたのに、大人無し? 大丈夫?

と、ちょっと気になって見ていましたが、やり投げ練習もしばらくすると止み、二人は鬱蒼とした天神山の裏手の方に、並んで歩いて消えていきました。

昨今の感覚だと、ちょっと不審者等が気になるような、人気のなさ。

ですが、この公園は四方八方に道が抜けているので、勝手知ったる地元の子、近道で帰るんでしょう。

 

 広場は、先程までの楽しげで不思議な部活風景から一変、暮れなずむ誰もいない公園風景へと変わりました。

 

 僕は急に寂しい気分になりつつも、なんか良かったなあ、とも思いつつ。

そう、ナチュラルに力の抜けた、あたりまえに平和で平穏な何か。

 

 そう、ハッと目覚めたら、いつの間にか寝てたなあ。

でも何か、良い夢でも見たような気がする。

母校の子供たちの残像が残る、夕やみの風景はそんな様に思えました。