とある出来事。
多分滅多にないような出来事。
11月に入り、忙しさがピークに達し始めた、ある夜のこと。
我が4番目の子供、ポンコツ号のコスモ号がまたまたぶっ壊れましてね。
で、仕方なく、エンジンからピストンからぜーんぶ取っぱずして、オーバーホールをやっておりました。
そして、その日は午前中のその作業の後、都内に用事があり、兄貴分キャロル号で出かけていたわけですが、ふと思いだしたのです。
『 あ”~~~っっ!オイルパン、塗装して放置したままだっっっったあ~~~! 』
そう、エンジンパーツを駐車場前に放置したまま出てきてしまってた訳です。
もう、顔が真っ青になりました。
最近とみに生活総合力が、著しく低下していることは自覚していたのですが、まさかここまでとは。
完璧ボケ老人の域です。(結果的に無事回収しましたが)
で、急いで帰宅していたのですが、ちょっと広い幹線道路で、迂闊にも速度が出てしまい、タイミング悪く赤信号。
止まるに止まれず、広い交差点に突入してしまいました。
そして、対向車線には信号待ち中の、白黒のポリィースカー(‼️)が忍者のように、ジッとこちらを見ておりました。
あ、目があった!!!。。。。。
笑っちゃうくらい、パーフェクトな位置取りパトカー。
まあ、もうこれはさっさと諦めるしかないと思い腹をくくり、そのまま減速し、車を左に寄せて停車しました。
バックミラーを見ると、かのパトカーが早速交差点をUターンして、加速。
それを見たからと言って、もちろん発車する(逃げる)つもりはないので、意思表示としてハザードライトをつけ、パトカーが来るのを待ちました。
加速してきたそのパトカーは、ウィンカーを出し、私の横を通り、カッチンカッチンとこれもハザードを点滅させ始め、だいぶ前の方に停車しました。
( 2人の警官が降りてきて「すいませーん、コンバンハ!ちょっとエンジン止めてもらっていいですか。 急いでた? いま、交差点で。わかります?? わかってますよね。赤信号。信号無視ね。こうして、もう止まってますもんね。ちょっとあれは、完全に赤になってましたから、急いでたのかなと思いまして。はい、じゃ、ちょっと免許証を見せてもらえますか? )
そういう展開がこれから、繰り広げられるようです。
今さらジタバタしてもだし、さっきのは我ながら、100%完全なる信号無視っぷり。
でも事故がなくて本当に良かった、事故だけはシャレにならんからなあ。
それだけはもう良かったな。あれ? なかなか警察官降りてこないなあ、、、
仕方ない。ちょっと距離があるから、こっちから寄ってやるか。
そう思い、ゆっくり発進し、キャロル号をパトカーの10m後ろまで近づけました。
が、まだ、降りてこない。
あ、もしかしてライトが眩しいのか?
仕方ない、消してやろう。プチッ。
でも、パトカーからは、誰も降りてこないんです。
あれ~、どしたんだろう・・・
と、今にも赤灯が回り出すぞと思っていたら、なんと、赤灯の代わりに、パトカーのハザードがフッと消え、ブレーキランプが消え、停車時の左ウィンカーの点滅のみが残りました。
そしてそれも数秒後、発進時の右ウィンカーに切り替わり、パトカーはゆっくりと私を置いて、遠ざかって行きました。
なんと、取り締まりキャンセル。
ギロチン台で、身動きの取れない罪人(ナベ)の前で、何を思ったか断首人が、おもむろに刀をしまい、ギロチン台を片付け始めたような図式ですか?
一人ポツンと取り残されて、なんか、あれ、終わり?いいのかな?
このまま、また走り始めて大丈夫なのか?
だが、パトカーは、すでに行ってしまった。
何一つ誰何することなく。
思うに、パトカー車内で協議の末、まあアイツ反省してるようだし、面白かったから今回は特別に見逃してやるか、とでもなったんでしょうか。多分。
物言わぬパトカーのテールライトでしたが、ハザードの点滅から、ブレーキランプの解除、そして右ウィンカーの発進、まで、十分なメッセージが伝わってきました。。
先に停車していたそのパトカーを通り過ぎざま、スイマセンでしたと、一礼しましたね。
でも、こうべを垂れてこそ当たり前。
事故らなかったことを神様に感謝だ。
そして、おカタいだけではないパトロールカーとのちょっとしたやりとり。
おおげさですが、テレパシーで安全運転こそ大事、と伝えられたような、ある夜の出来事でした。
捕まってお説教を喰らうより、安全運転が身にしみた、滅多にない貴重な体験。
師走に入った暮れの夜。
忙しい時期だからこそ、改めて安全運転こそがカッコいいんだな、と思いました。マジに。