犬が苦手な方は、スルーしてください。
今年の冬、バイクで夜、走っていた時のお話です。
向こうから、ゴールデンレトリバー級の大型犬が、ウォンウォン鳴きながら道ばたを走ってきました。
昨今、野良猫は沢山いますが、野良犬は滅多に見かけなくなったので、ちょっとビックリな光景でした。
でもそれよりも、その犬は一直線に街道を走り抜けているので、交通量の多い街道筋では、超危険です。
仕方がないのでUターンし、マラソンランナーに並走して走っている監督みたいに、取り合えず周囲にクラクションで注意喚起をしながら、並走しました。
でも、犬はもちろん信号は無視ですし、いつどのタイミングで対向車線に飛び出すか解らないので、先回りしてバイクを斜めに寄せ、住宅街の小道へと誘導し、犬はなんとかうまく裏通りに入ってくれました。
でもまだ走り続けています。
ので、もう一か八か追い越して、先にバイクを止め下車しました。
犬は迫ってきます。でかいので、さすがに怖かったですが、気合いを入れて、ガシッッッと組み止めました。
犯人確保、じゃない犬確保!
ですが、そこからがいけません。
犬暴れる暴れる!
これはいつかの、子ネコの恩を仇での逆襲も想定されます。
なので、犬を抱きかかえるように足を浮かせ、咬まれないように用心して、犬の後頭部に自分の頭を回り込ませ、、、、
さあ、どうする。
動けなくなりました。
犬は鳴く鳴く。
耳元だから、もううるさいったらなんの。
ずっとそのままでいることも出来ませんから、なんとか携帯をポケットから出し、なんとか110番を押して、なんとかヘルメットの耳元にさしこんで、近くの電柱の住所を告げ、なんとかしてくれい!と応援要請をしました。
でも体重30kg近くある犬を、しゃがんだ状態で確保し続けるのって、今まで使ったことがないような筋肉がプルプルーっと、あっさりと限界を超えますね。
変な部位の腰、背中がめっちゃしんどかったです。
最寄りの警察はバイクで5分くらいのとこなんですが、40分くらいしてようやく来ましたね。
一体何をやってたんでしょうか?
まあでも来てくれたことは有り難かったです。
犬も、騒ぎを聞きつけた近所のおばさんが、水を汲んできてくれたので、ようやくパニックから覚醒したのでしょう。
それからは大人しくなりました。
犬は警察トラックの荷台のケージにも、すんなり自分から入っていきましたから、もちろん飼い犬でしょう。
で、さすがにここからは、警察の情報網が威力を発揮しました。
なんでも、ビッコを引いた大きい犬を見かけませんでしたか、との問い合わせが警察に一件ありとのこと。
管轄を越えて情報が共有されるみたいですね。
またそれと前後して、歩行者からの情報として、慌てて道を走る飼い主とおぼしき女性が、同様のことを行交う人に聞いて回っていたとのこと。
補足情報として、原付に乗った男性が、犬をかばうようにして走っていた、との情報も寄せられていました。
情報網、凄過ぎ。
すべて、この犬に合致します。
ので、とりあえずその問い合わせのあった人に、最寄り署まで来てもらうことにして、この犬をそのまま警察署に引き取ってもらうことにしました。
私は、ついて行っても良かったのですが、まあ一安心な様子だったので帰ることにし、近くの交番でなぜか拾得物の書類(この場合、一割貰うとしたら何かなあ。犬との一日お散歩券かなにか?)に、署名をさせられて帰宅しました。
次の日、警察署に問い合わせて聞いたところ、やはり問い合わせの方が飼い主さんだったそうで、目出たく再会出来たとのことでした。
そしてその電話口での、なぜかヤンキーみたいな口調の女性警察官さんが、今回の事件を通して唯一人、ご苦労様でした、を私に言ってくれました。
この犬の名前はジョビー君(なかなか覚えにくい、いい名前)だそうで、後日飼い主さんからお礼の電話がありました。
なんでも急に、トラックの音かなにかに怯えて、パニックになり家を飛び出して行ったそうで。
今後気をつけますとおっしゃっていました。
はい、是非お気をつけてください。ジョビー君確保、かなり大変です。
ただ1つだけ今回の事件で、不満な件。
警察に、犬と一緒に原付バイクの男性が走っていた、と通報した人!そこのアナタ!!そう、君!
原付ではありません。ナナハンです。