2012-07-15

プライド

 犬が苦手な方は、スルーしてください。

今年の冬、バイクで夜、走っていた時のお話です。

向こうから、ゴールデンレトリバー級の大型犬が、ウォンウォン鳴きながら道ばたを走ってきました。

 

 昨今、野良猫は沢山いますが、野良犬は滅多に見かけなくなったので、ちょっとビックリな光景でした。

でもそれよりも、その犬は一直線に街道を走り抜けているので、交通量の多い街道筋では、超危険です。

 

 仕方がないのでUターンし、マラソンランナーに並走して走っている監督みたいに、取り合えず周囲にクラクションで注意喚起をしながら、並走しました。

 

 でも、犬はもちろん信号は無視ですし、いつどのタイミングで対向車線に飛び出すか解らないので、先回りしてバイクを斜めに寄せ、住宅街の小道へと誘導し、犬はなんとかうまく裏通りに入ってくれました。

 

 でもまだ走り続けています。

ので、もう一か八か追い越して、先にバイクを止め下車しました。

犬は迫ってきます。でかいので、さすがに怖かったですが、気合いを入れて、ガシッッッと組み止めました。

犯人確保、じゃない犬確保!

 

 ですが、そこからがいけません。

犬暴れる暴れる!

これはいつかの、子ネコの恩を仇での逆襲も想定されます。

 

 なので、犬を抱きかかえるように足を浮かせ、咬まれないように用心して、犬の後頭部に自分の頭を回り込ませ、、、、

さあ、どうする。

動けなくなりました。

 

 犬は鳴く鳴く。

耳元だから、もううるさいったらなんの。

ずっとそのままでいることも出来ませんから、なんとか携帯をポケットから出し、なんとか110番を押して、なんとかヘルメットの耳元にさしこんで、近くの電柱の住所を告げ、なんとかしてくれい!と応援要請をしました。

 

 でも体重30kg近くある犬を、しゃがんだ状態で確保し続けるのって、今まで使ったことがないような筋肉がプルプルーっと、あっさりと限界を超えますね。

変な部位の腰、背中がめっちゃしんどかったです。

最寄りの警察はバイクで5分くらいのとこなんですが、40分くらいしてようやく来ましたね。

一体何をやってたんでしょうか?

 

 まあでも来てくれたことは有り難かったです。

犬も、騒ぎを聞きつけた近所のおばさんが、水を汲んできてくれたので、ようやくパニックから覚醒したのでしょう。

それからは大人しくなりました。

 

 犬は警察トラックの荷台のケージにも、すんなり自分から入っていきましたから、もちろん飼い犬でしょう。

で、さすがにここからは、警察の情報網が威力を発揮しました。

 

 なんでも、ビッコを引いた大きい犬を見かけませんでしたか、との問い合わせが警察に一件ありとのこと。

管轄を越えて情報が共有されるみたいですね。

またそれと前後して、歩行者からの情報として、慌てて道を走る飼い主とおぼしき女性が、同様のことを行交う人に聞いて回っていたとのこと。

補足情報として、原付に乗った男性が、犬をかばうようにして走っていた、との情報も寄せられていました。

 

 情報網、凄過ぎ。

 

 すべて、この犬に合致します。

ので、とりあえずその問い合わせのあった人に、最寄り署まで来てもらうことにして、この犬をそのまま警察署に引き取ってもらうことにしました。

私は、ついて行っても良かったのですが、まあ一安心な様子だったので帰ることにし、近くの交番でなぜか拾得物の書類(この場合、一割貰うとしたら何かなあ。犬との一日お散歩券かなにか?)に、署名をさせられて帰宅しました。

 

 次の日、警察署に問い合わせて聞いたところ、やはり問い合わせの方が飼い主さんだったそうで、目出たく再会出来たとのことでした。

そしてその電話口での、なぜかヤンキーみたいな口調の女性警察官さんが、今回の事件を通して唯一人、ご苦労様でした、を私に言ってくれました。

 

 この犬の名前はジョビー君(なかなか覚えにくい、いい名前)だそうで、後日飼い主さんからお礼の電話がありました。

なんでも急に、トラックの音かなにかに怯えて、パニックになり家を飛び出して行ったそうで。

今後気をつけますとおっしゃっていました。

はい、是非お気をつけてください。ジョビー君確保、かなり大変です。

 

 ただ1つだけ今回の事件で、不満な件。

警察に、犬と一緒に原付バイクの男性が走っていた、と通報した人!そこのアナタ!!そう、君!

 

原付ではありません。ナナハンです。