ちょっとした話なんですが、私もスクールの講師業をやってる関係で、なんか身につまされるというか、先生先生といっても、結局は人間なんだ、というか。
まあよく言えば、心温まる(まではいかないか)話。
率直に言えば、先生業は他人様から先生と呼ばれるが故に、人間としてのまともな判断を狂わせられる、ある種危険な職業だなと。
とある地方の高校で、生徒全員から恐れられている、とても厳しい先生がいました。
厳しいとは言っても、生徒たちをしっかり指導する観点からは、他の先生からも父兄からも一目も二目も置かれ、絶大な信頼を寄せられている、超ベテラン先生らしいのですが。
授業の中では、先生の目から見て、何かが足りなかったら、即座に生徒たちを注目させます。
先生『はい、正座』
生徒『シーン・・』
先生 ・・沈黙・・
生徒『シーン・・(かなり気まずい)』
その間、生徒は何が足りないのかを自問し、それを探るために、あれこれ考えるそうで。
で、
先生『・・気合が足りない・・』
生徒『ハイッ!』
先生『・・もっと大きく!!・・』
生徒『ハイッ!』
男子も女子も、結構気を(体力も)使うそうです。
そんな、チョ〜厳しい先生らしいのですが、その厳しい先生にサブでついている、同僚のベテラン男性教師は、逆に物柔らかい先生。
で、なかなか生徒に人望があるようで、色々とこぼれ話をしてくれるそうです。
で、その優しい男性教員が、ついこぼれ話的につぶやいたらしいのですが、ある時、職員室でスパルタ先生が、そのサブ男性教員に
スパ『どうも生徒のなかに、俺をジーッと見る女子がいてなあ。』 サブ『え〜、そうなんですかあ?(信じられない!)』
スパ『ほんとほんと。いつでも、俺のことをジーッと見てるんだな。』
サブ『どの子ですか?』
スパ『(生徒名簿を広げながら)この子、この子!』
サブ『あー、結構可愛らしい子ですね。』
スパ『そうなんだよ!いったい何なんだろう(嬉々)』
サブ『、、、、、』
スパ『なんか俺に言いたいことでもあるんかな(爆嬉々)』
サブ『ただ怖いからじゃないですかあ?』
スパ『え〜ッ、そうかなあ、なんかいっつも俺が行くと、ジイーて熱いような視線、そう、なんか熱い視線なんよ。』
サブ先生『 ・・ため息・・ 』
サブ『先生は厳しいから、生徒からしたら、ただただ怖いんだと思います』
スパ『、、、、?』
サブ『少なくとも、ラブとかライクとかじゃあ、絶対にないと思いますよ〜』
スパ『え〜ッッ(抗議の目)』
ちなみにスパルタ先生は、御年60歳近く。
高校生は基本的に御年15〜18歳。
この先生は、いったい生徒に何を期待していたのでしょうか?
いやあ、今回のお話はなかなか恐ろしいような、哀れなような、物悲しいようなお話でしたね。
私もくれぐれも、生徒さんからみかんとか貰ったりしても、勘違いしないよう気をつけて生きてゆきたい、と肝に命じた晩秋の休日でした。