みなさん、刀削麺というのを食べたことはありますか。
横浜中華街とかに行くと、怪しい日本語の料理人さんが
『ナニシマス?』
と、聞いてくるお店が山盛りありますから、そのどこに入っても料理自体は美味しいと思いますが、この刀削麺は、麺を削る技術が必要で、お店はそう多くはないようです。
普通ラーメンは、もともとスープに合った麺が、あらかじめ用意してあるので、麺に関しては手間入らずです。
が、刀削麺は注文の度に、料理人さんが冷蔵庫から、巨大なカマボコ状の生地を出してきて、くの字に折れ曲がった包丁で、表面をサッサッサッと削ってゆきます。
そうすると、きしめんみたいに平たい麺が、煮立ったなべの中にポンポン放り込まれる訳ですが、言わばL字の彫刻刀で削ぐような感じ。
なので、削りの最初と最後が細く、中程がちょっと分厚い麺になり、そのアンバランスさが、独特の食感を生み出します。
ひとことでいったら、モッチモチな弾力ある歯ごたえ、といった感じでしょうか。麺のキワはツルンとプルプルしていて、中心部分は歯ごたえのあるシコシコ麺な感じです。
中国山西省が本場らしいですが、スープにつけるラーメン風なのは日本国内向けらしく、現地では麺の上にトマトソースや、豚肉とニンニクの肉あんをかけたりして食べるそうです。
こっちもおいしそうですね~。
このカマボコけずりですが、表面が乾いていないとうまくサクッと削れないらしく、また前回に削った溝に刃が重なると麺が切れてしまいます。
なので、料理人さんは毎回カマボコ生地をひっくり返して、まな板に押し付け、表面を平たくしてから、おもむろに曲がり包丁で、再びサクサクと削ってゆきます。
見てると、とってもカンタンそうですが、程よく美味しい食感のバランスに削る、この削り方が大変難しいらしいです。
中華料理は、基本的に脂っこい料理なので、そういっぺんにはたくさん食べられないと思うのですが、この不思議なモチモチ麺をからめてもってこられると、思わず食べずにはおられませんね~。
というか、今食べたい!