エアコンぶっ壊れました。
車のね。
私は、基本的にはバイクと同じで、自然の風取り込み派なのですが、近年では、もう、そうも言ってられない暑さなので、エアコン様に頼り切ってました。
幸いにしてまだ部品は豊富に残っていて、今回はエアコンアクチュエータ(スイッチですね)だけ交換したら大丈夫とのこと。
部品交換だけでしたが、今回はマツダさんに頼みました。
休みに日に朝一で持ち込んで、交換作業はものの30分で終了。
で、冷え確認をしていると、なんか見知ったおじさんがニコニコしながら、すぐ近くまで来ました。
『おー、お久しぶりです!』
以前、ここでお世話になっていた工場長でした。
『あー、久しぶり。こんちは。クルマ元気そうだね』
普段着の工場長は、まさに好々爺といった感じ。
オイルまみれでカミソリのような切れ味で、ピット内を闊歩していた以前とは、まるで別人でした。
『状態良さそうだね。あとはベアリングだけ替えてあげれば、だいぶ保つよ。ベアリングだけね。』
この工場長さん、5年ほど前に転勤されたのですが、それまで我がキャロルちゃんがずーっと15年ほどお世話になっていたエンジニアの方です。
多分、そろそろ定年だったとおもいます。
今日は久しぶりの再会です。
『まだ週末はガンガン走ってるんですか?』
『いや、最近はクルマ自体に乗らなくなったね。今日は遊びに来たの。』
すっかり丸い感じで、恰幅も以前より、ある感じです。
『でも修理とかは、まだされてるんですよね』
この質問に工場長は
『いやー、怖くて、もう触れない!無理無理』
つい最近まで現役でやってた筈の、エンジニア歴40年はあろうお人が、
『もう触れない!』
だそうです。
あー、プロの世界だな、と思いました。
失敗は絶対に許されない、必ず修理して、その後も不具合が出ないような、完璧な修理に携わってきたからこその発言。
年齢からくる自分の限界を、いち早く察知したから、完全引退したのでしょう。
『じゃ、元気で気をつけて』
笑いながら会釈して、工場内に消えて行くその後ろ姿に、
『あれあ、まだまだ十分働けるんじゃねーかな、と思ってるんですけど、ね。』
2代目の若い工場長が、優しく笑いながら、ポツリとつぶやいたのが印象的でした。