指揮者、とは。
楽団員を一つにまとめ、深遠なる素晴らしいオーケストラのサウンドを生み出すリーダー。
指揮者のひと振りで、響きがガラッと変わるので、指揮する人間の責任は、実に重大なもの。
よほど真面目で、きっちりとした、冗談も通じないような性格の人でないと、とても務まらない仕事、だと思っていました。
ですがね。
こういう考えは、必ずしも正解ではないようです。
とりわけ指揮棒を振らなくても、指揮者の仕事は成り立つみたいです。
更に言うならば、指揮棒を置いて腕組みして目つぶって、じっと音楽を聞いていても良いらしい。
極論すれば、オーケストラに合わせて、踊っちゃってても良いみたいです。
そんなヘンテコ指揮者の中の筆頭株、ユーリ・シモノフ。
モスクワフィルハーモニー管弦楽団、首席指揮者。
御年、今年80歳!
この方、年取ってから、こんな自由自在になったのかなーと思っていたら、若い頃から、こんなユーモラスな指揮振りしてたんですな。
でもなかなか男前だし、若い頃はさすがに体力があるから、妙な指揮の振り方も、ヘンテコな指揮振りながら、変にキレが鋭く、なんだかそれなりにかっこいい!
そして、それが今や円熟味を増し、その指揮振りはついに、
” 楽しいおじいちゃん “
へと、進化を遂げました。
いや、相変わらず、音楽はとても素晴らしいのです。
ただひたすら、棒振ってるそのお姿が、ドッカンドッカン腕を出したり、コミカルに踊り出したり、実に楽しそうで。
なんか、ただの微笑ましい、楽しいおじいちゃんにしか見えない。
で、そこに楽団員が、ばっちりついてきている。
それが、この方の凄いところです。
もう、若手楽団員がね、ノリノリ。
80御年のリーダーが、こんだけやってくれると、後に続けー!!って気分にもなりますわな。
年? なにそれ? って感じで。
いやあ、人生こうありたい。