2021-06-15

指揮棒なくても

 指揮者、とは。

楽団員を一つにまとめ、深遠なる素晴らしいオーケストラのサウンドを生み出すリーダー。

 

 指揮者のひと振りで、響きがガラッと変わるので、指揮する人間の責任は、実に重大なもの。

よほど真面目で、きっちりとした、冗談も通じないような性格の人でないと、とても務まらない仕事、だと思っていました。

 

 

 ですがね。

こういう考えは、必ずしも正解ではないようです。

 

 とりわけ指揮棒を振らなくても、指揮者の仕事は成り立つみたいです。

更に言うならば、指揮棒を置いて腕組みして目つぶって、じっと音楽を聞いていても良いらしい。

極論すれば、オーケストラに合わせて、踊っちゃってても良いみたいです。

 

 

 そんなヘンテコ指揮者の中の筆頭株、ユーリ・シモノフ。

モスクワフィルハーモニー管弦楽団、首席指揮者。

御年、今年80歳!

 

 

 この方、年取ってから、こんな自由自在になったのかなーと思っていたら、若い頃から、こんなユーモラスな指揮振りしてたんですな。

でもなかなか男前だし、若い頃はさすがに体力があるから、妙な指揮の振り方も、ヘンテコな指揮振りながら、変にキレが鋭く、なんだかそれなりにかっこいい!

 

 そして、それが今や円熟味を増し、その指揮振りはついに、

” 楽しいおじいちゃん “

へと、進化を遂げました。

 

 

 いや、相変わらず、音楽はとても素晴らしいのです。

ただひたすら、棒振ってるそのお姿が、ドッカンドッカン腕を出したり、コミカルに踊り出したり、実に楽しそうで。

なんか、ただの微笑ましい、楽しいおじいちゃんにしか見えない。

で、そこに楽団員が、ばっちりついてきている。

 

 

 それが、この方の凄いところです。

 

 もう、若手楽団員がね、ノリノリ。

80御年のリーダーが、こんだけやってくれると、後に続けー!!って気分にもなりますわな。

年? なにそれ? って感じで。

いやあ、人生こうありたい。